イージス艦 要撃能力向上計画

イージス艦 要撃能力向上計画

概要
防衛省は、イージス艦のミサイル要撃能力向上を計画していることがわかりました。追加するのは、大気圏外を航行する弾道ミサイルと低空を飛ぶ対艦ミサイルとを同時に撃ち落とす機能を追加する予定です。また味方のイージス艦や航空機の位置情報を共有するシステムも導入します。集団的自衛権を使って米艦を防護する際の活用を視野に入れています。

現在、海上自衛隊はイージス艦を6隻持っています。このうち4隻が弾道ミサイルの防衛に対応しています。但し、弾道ミサイルの警戒中は戦闘機や対艦ミサイルによる攻撃を防ぎにくくなっています。敵の潜水艦や戦闘機からの攻撃を受ける可能性のある場合は、イージス艦に守る護衛艦を別におく必要があります。

防衛省は、現在「あたご」、「あしがら」の2隻を改修中で、今後新たに2隻の建造を進めます。この4隻に弾道ミサイルを警戒しながら対艦ミサイルなどを撃ち落とされる機能を搭載するようにします。コンピュータの処理能力を高めたことで、弾道ミサイルと対艦ミサイルを同時に捕捉できるようにして、補助艦なしでの対応を可能にします。

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システム自体は、米国が開発しました。米国防総省は昨年11月、最新のイージス艦を使って短距離弾道ミサイル1発と対艦ミサイル2発を同時に迎撃する試験に初めて成功したと発表しました。

弾道ミサイルを探知する能力も引き上げます。現在、日本列島全域で弾道ミサイル攻撃に備えるためには3隻で警戒する必要があります。補修期間などを考えると、現在の4隻ではぎりぎりの運用になります。新システムはレーダーの探知範囲を大幅に広げて、2隻だけで日本全域をカバーできるようにして、イージス艦の運用に余裕を持たせるようにしたいと考えています。

味方との情報共有も進めます。新造する2隻は敵ミサイルの位置情報を味方のイージス艦や早期警戒機と共有できるようにします。これは、共同交戦能力(CEC;Cooperative Engagement Capability )と呼ばれるシステムで、これまでは、自艦のレーダーが探知した場合だけ迎撃できたのが、自分のレーダーで探知できなくても味方艦の情報で迎撃できるようになります。

政府は、集団的自衛権の行使が必要な事例として、朝鮮半島有事の際に日本人を輸送する米艦の防護を想定しています。共同交戦能力システムを使用すれば、米艦を狙ったミサイルを自衛隊のイージス艦が迎撃できます。新増艦は、2020年度から1隻目を運用する計画です。

イージス艦
米海軍や海上自衛隊が保有する防空性能の高い護衛艦。イージス(Aegis)は、ギリシャ神話でゼウスが娘のアテナに与えた「盾(Aigis )」を意味します。高性能のレーダーでミサイルや攻撃機を探知して、複数の標的を同時に撃ち落とすイージス・システムを備えています。
海上自衛隊は、現在6隻(こんごう型護衛艦;こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい、あたご型護衛艦;あたご、あしがら )保有しています。このうち「あたご」、「あしがら」をミサイル防衛に対応できるように改修中です。
日本政府は、2014~2018年度までの中期防衛力整備計画で、イージス艦を新たに2隻調達予定です。

出典:日本経済新聞 2015/6/14

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