コマツ、IoTで人手不足を補う    2015/10/7

コマツ、IoTで人手不足を補う    2015/10/7

建設機械最大手、コマツのIT活用が、あらゆるモノをインターネットにつなぐ「インターネット・オブ・シングス(IoT)」に進化しています。
無人ヘリの「ドローン」による測量や、地形計測システムを搭載した油圧ショベルなど新たな機器を提供して、慢性的な人で不足にあえぐ、国内の土木建設現場の改革に挑んでいます。

■スマートコンストラクション
2015年10月6日、千葉市で建設機械レンタルのコマツ子会社コマツレンタル(本社:横浜市)が自社保有地で、コマツの建設機械のユーザ向け支援サービス「スマートコンストラクション」の実演会が開かれました。

地形計測システムを搭載した油圧ショベルが、今回初披露されました。運転席に座る作業員が、目の前のボタンを押すと、備え付けのカメラが幅8m・奥行き20mの範囲で、油井ショベルの前方を撮影、画像データはクラウドに送信され、1分もたたないうちに3次元データに加工されます。この事業の責任者である四屋千佳史執行役員は、「コマツのあらゆる資源を投入した開発した」と力説します。
一方、現場の上空40mを飛び回っているドローンもサービスのキモとなります。上空を十数分飛ぶ間に数百万か所のポイントを測量して、わずか1日で現場の詳細な3次元データが完成します。事前に作成した完成図の3次元データと比較するだけで、施工範囲などがはじき出される仕組みです。

日々変化する現場の状況を反映した3次元データを元に自動走行する建機が整地や掘削などの土木工事を進めます。クラウド上で管理する進捗状況は、パソコンやスマートフォンで随時確認できるため、急な設計変更にも迅速な対応が可能となります。

2015年2月のサービス開始から日々改良を重ねてきたスマートコンストラクション。新たに導入すれば「必要な土の量がどれくらいになるか、ダンプトラックの手配はどうすればよいかがすぐにわかる。建設現場の工程管理が工場と同じように管理できる。」と、本サービスの販売を手掛ける、コマツレンタルの小野寺昭則社長は話しています。

実際、導入済の現場では、工期の短縮や人手の削減で、費用が2~3割削減する効果があったとのことです。

 

■コマツのIT活用
コマツのIT活用は、2001年から建機に標準搭載されている遠隔管理システム「コムトラックス」が広く知られています。建機の稼働状況をリアルタイムで把握して、将来の需要予測やメンテナンス時期の適切な提案につながっています。

さらに、2013~2014年にはボタンを押すなどの単純な操作だけで熟練者のように運転できるブルトーザと油圧ショベルを製品化しました。自由に刃先を動かすことのできる油圧ショベルなどの「自働化建機」は、現在国内1,000か所の工事現場に導入されています。

そして、第3弾となる、スマートコンストラクションは、国内の建設現場が直面する課題に対応する「ソリューションビジネス」との意味合いが濃いものです。

震災復興や、東京五輪をにらんだ大型開発などで慢性化している人手不足は、五輪需要が終わったとも人口減少による影響により、2025年には作業員が100万人単位で不足する見通しとのことです。

 

■コマツの現状
本業の、建機販売は稼ぎ頭だった中国の景気減速で環境は厳しくなっています。中国に加えて、東南アジアやオーストラリアなどでも、建機販売が伸び悩んでいます。
スマートコンストラクションの売上高を、早期に年間100億円規模に引き上げる計画で、国内の足場固めを急いでいます。

 

 

日本経済新聞   2015/10/7 朝刊

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