木型取扱い上の注意点・保管方法

木型取扱い上の注意点・保管方法
 (Precautions for handling and storing wooden molds)

 

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1. 木型取扱い上の注意

1.1使用前の点検

鋳造品の模型のうち、最も多く使われているのは木型です。木型は破損しやすく、屋外に放置して風雨にさらされると。変形したり最悪は破損します。
また、模型には、多くの付け物があります。この付け物は1個でも紛失すると、その模型は役に立たないものになってしまいます。

模型は、模型製作者が製作して検査してから引き渡されますが、製造部門は模型を受領後、使用する前に図面通りに模型が製作されているか?、付け物はすべて揃っているかを調査しておく必要があります。極めて単純なミスを、模型製作者も造型工も気付かずに造型してしまい、不良品を製作することが無いように注意する必要があります。

 

1.2型込め

型込めの際、模型木型を直接突き棒やサンドランマなどで叩かないようにしなければなりません。木型を直接叩くと、模型木型が破損するばかりでなく、鋳型の砂の硬さも不均一になり、鋳物不良の原因になります。

 

1.3 型込め使用後の注意事項

型込めが終了したら、出来るだけ早く鋳型から模型を引き抜くことが必要です。長期間模型木型を砂の中に埋めておくと、模型に砂がしみついて、模型の引抜きが困難になります。
模型木型を抜く際、模型を直接強く叩くと、鋳型寸法が不正確になり、模型も破損してしまいます。型抜きの際は、模型をハンマなどで叩くのではなく、造型機に付属しているバイブレータなどを用いて緩めて取り外すのが良いとされています。
自硬性鋳型(セメント砂、CO2砂(ガス砂)、エア・セット砂などを使用)の場合は、砂が完全に固化しない内に、模型を引き抜くことが重要です。

 

2. 模型木型の保管方法

模型木型の保管は、一般的には鋳物の保管よりも広いスペースが必要です。また、木型はほとんどの場合、一度使用してそのまま廃棄することはせずに、次回使用するために保管しておきます。
模型木型は、風雨や湿気の影響を受けない屋内倉庫に保管しておく必要があります。また、直接土間には置かずに、棚や台上に置いて保管しなければなりません。

管理人が、最初に就職したのは、従業員100人程度の小規模のプラント向けターボポンプメーカでした。
ターボポンプは、基本は接液部(ハウジング、インペラー)や軸受箱は鋳物材で製作されていました。典型的な多品種少量生産で、一回の注文で、数台程度であり、また何時リピートがあるかもわからないので、大量の木型の在庫がありました。
それらは、長期間痛まないように保管する必要がありましたので、工場の2階で風通りの良い場所に保管場所を確保していました。
そのことを、思い出しました。

 

参考文献
二級技能士過程 鋳造科<選択・鋳鉄鋳物鋳造作業法>指導書  労働省職業能力開発局編 1970年

ORG:2024/10/15