1.3 負荷応力の種類(Types of load stress)

1.3 負荷応力の種類(Types of load stress)

負荷応力の種類を大きく分けると5つに分類されます(図1.3.1)。
(1)軸荷重応力:引張荷重、圧縮荷重により部材に発生する応力。ボルトに負荷される軸荷重による応力などがあります。
(2)曲げ応力:部材に作用する曲げ荷重により発生する応力。例として、ギア歯の接触により負荷される曲げ応力があります。
(3)ねじり応力:回転軸に作用するねじり負荷により発生するねじり応力。ターボポンプシャフトなど、回転トルクを伝達する際に発生します。
(4)単純せん断応力:水平面の上方と下方で、その面に沿って反対向きに作用する荷重により発生するする応力。リベットに作用するせん断によるせん断応力があります。
(5)接触応力:部材が接触してお互いに負荷を与えるときその接触部に発生する応力。転がり軸受に発生するヘルツ応力などがあります。

使用中の部材が破壊する場合、これらの応力が単独で作用することは比較的少なく、多くの場合複合して作用します。従って、多くの場合、破壊した部材の破面は非常に複雑な様相を示します。

ここで、これらの応力が静的や衝撃的に作用することはあまり無く、両振りや片振りなどの繰返し荷重で作用します。また、そのほとんどは、単純な繰返し応力ではなく、変動荷重として繰り返して作用します。それが、破面観察を複雑にしています。

[図1.3.1] 負荷応力の種類と破損形態

[図1.3.2] 両振り及び片振り応力

[図1.3.3] 単純繰返し応力と変動応力

 

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参考文献
100事例でわかる 機械部品の疲労破壊・破断面の見方  藤木榮 日刊工業新聞社

 

引用図表
[図1.3.1] 負荷応力の種類と破損形態 機械部品の疲労破壊・破断面の見方 改
[図1.3.2] 両振り及び片振り応力 機械部品の疲労破壊・破断面の見方

[図1.3.3] 単純繰返し応力と変動応力 機械部品の疲労破壊・破断面の見方