4.3 衝撃荷重による破面(Fracture surface due to impact load)
4.3 衝撃荷重による破面
応力を負荷する速度を、静的な状態から徐々に増加させていくと、衝撃荷重として作用して破壊します。衝撃荷重による破面は、基本的には静的な引張の場合との差異はありません。
3つの領域、すなわち繊維状破面(F)、放射状破面(R)、シャーリップ(SL)が現れます。これらの比率についても、温度や試料の形状、寸法などにより異なります。例えば、試験温度と各領域の寸法との関係について、図4.3.1に示します。低温ほど(R)の比率が多く、高温になるに従い(F)の比率が多くなります。また、図4.3.2に、試験温度を変えた場合のシャルピー試験の衝撃破面を示します。
参考文献
100事例でわかる 機械部品の疲労破壊・破断面の見方 藤木榮 日刊工業新聞社
フラクトグラフィとその応用 小寺沢良一 日刊工業新聞社
機械部品の破損解析 長岡金吾 工学図書
Fractography ASM Handbook Vol.12 ASM International
引用図表
[図4.3.1] 破面の3要素の大きさと試験温度 機械部品の疲労破壊・破断面の見方
[図4.3.2] 試験温度を変化させた場合のシャルピー試験結果 機械部品の疲労破壊・破断面の見方