6.1 硬さの測定値に影響する要因 

6.1 硬さの測定値に影響する要因

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硬さの測定方法について、JIS規格では、ブリネル硬さ、及びロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ショア硬さの4種類が規定されています。
それぞれ測定方法が違い、また正確には、材料の性質の、どの要因を測定するかによっても違いますが、一応相互に関連付けられています。
しかし、注意しなければならないことがあります。それは、それぞれの硬さ測定方法が、測定の仕方が誤っていたり、測定する際の条件を守らないと、正しい数値が得られない場合があることです。ここでは、それぞれの硬さ測定方法ごとに、守らねばならないことをいっしょに見ていきましょう。

1.ブリネル硬さの測定値に影響を与える因子

(1)試料(スペーシメン)
試料の厚さは10mm以上必要です。表面の粗さは、油目ヤスリ仕上げ程度異常が望ましいです。 油目というのは、ヤスリの中で最も目の細かいヤスリを言います。
(2)圧子の形状
荷重方向と直角方向の直径の差は0.01mm以内、新球の径公差は±0.01mm以内、真球度は0.0015mm以内が要求されています。
(3)凹痕計測用顕微鏡の目盛精度
±0.02mm
(4)操作時間
加圧して規定の試験力までに達するまでの時間は、2~8秒、保持時間は10~15秒といわれています。
鋼球の場合は、加圧速度15秒、加圧保持時間30秒といわれています。
(5)試験条件
荷重(P)と球径(D)との関係で、P/D2の関係を等しくなるようにする必要があります。
(6)測定誤差
凹痕の読み取り誤差が、測定硬さの値に最も影響します。

2.ロックウェル硬さの測定値に影響を与える因子

(1)試料(スペーシメン)
厚さは1mm以上必要です。面粗度は10μm以下、傾斜角度は4°以下に抑える必要があります。平面以外は正しい硬さが測定できません。凹面は硬めに、凸面は軟らかめに測定されます。円筒の径により補正値を示す表があります。
(2)圧子の形状
圧子は、ダイヤモンドが使用されますが、先端に欠けが無いこと、角錐の角度が正確なことが[要求されます。先端の欠けが測定値に一番影響します。
(3)その他
測定毎に、毎回基準片でチェックする必要があります。基準片の種類はHRC30~35、40~50、60~65、90~95があります。

3.ビッカース硬さの測定値に影響を与える因子

(1)試料(スペーシメン)
厚さは、凹痕の対角線長の1.5倍以上必要です。表面粗さは鏡面仕上げ程度必要です。
(2)圧子
軸の傾きに対して要求値が厳しく、30′以内です。
(3)操作
ほとんどの場合、自動ですが、手動の場合は加圧時間は10秒が標準です。
(4)測定誤差
凹痕の測定誤差が、測定硬さの値に一番影響します。

4.ショア硬さの測定値に影響を与える因子

(1)試料(スペーシメン)
厚さは5mm以上必要です。重さは0.1kg必要です。ある程度の質量が必要です。表面粗さは1.0μmで、ペーパ磨き程度であれば問題ありません。
(2)操作
押付け力は25kgf以上、D形の場合のハンマ落下用ハンドルの回転速度は、30回/秒以下、戻しの回転速度は60回/秒以下になるようにして下さい。早すぎると測定値が硬く測定されます。個人差が出易いので注意して操作して下さい。
(4)その他
試験片の傾きは2%以下にする必要があります。出来るだけまっすぐに測定器を設置するようにしてください。また試験片の端面付近で測定すると正しい測定が出来ないので、試験片の端から7mm以上離れた場所で測定してください。