1.1 液圧と空気圧
1.1 液圧と空気圧(Fluid-power)
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液圧(油圧、水圧)と空気圧は、フルードパワー(Fluid-power)というくくりで取扱われます。
フルードパワーシステムは、エネルギー源から使用される場所にエネルギーを伝達するために圧力をかけた液体もしくは気体を用いて動力を伝達する機器と定義されます。
フルードパワーは、加圧された液体を用いる液圧(Hydraulics)と圧縮された気体を用いる空気圧(Pneumatics)とに分けられます。このシリーズでは、液圧の中でも作動液体に油を利用する油圧を中心にまとめていきたいと考えています。
ここでは簡単に油圧と空気圧との長所・短所を比較してみましょう。
1. 油圧
[長所]
・加圧源の圧力範囲が大きく取れるので、選択が無段変速が容易で、かつ変速範囲が広い。
・作動流体が非圧縮性のため、位置や速度、力を高速な応答速度で正確に制御ができる。
・動力を伝達する作動油自体に潤滑性がある。
・過負荷に対して、安全な回路を容易に作ることができる。
・大出力制御が可能である。
[短所]
・油漏れが発生の恐れがある。
・作動油の清浄性が悪くなると摺動部の損傷を招き、機器の寿命が短くなる。
・火災の危険性が大きい。
・循環用の戻り配管が必要である。
2. 空気圧
[長所]
・使用圧力が1MPa未満と日本では定められており、軽作業に適している。
・作動流体が圧縮性を持つので、エネルギーの蓄積が容易で、緩衝効果がある。
・漏れに対する許容が大きいので、配管や容易である。
・発火性が無いので、火災の危険が小さい。
・循環用の戻り配管が不要。
[短所]
・作動流体が圧縮性を持つため、位置決め精度や応答性に劣る。
・潤滑性が油より劣るので、潤滑対策が必要な場合がある。
・空気の圧縮過程でドレンとして水分が発生するので、その除去が必要である。
参考文献
日本ニューマチック工業株式会社HP http://www.npk.co.jp/pneumatic/kuukiatsu.html
ORG: 2018/1/6