2.3.1 液体動力

2.3.1 液体動力(hydraulic power)

 

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1.  動力の定義

動力とは、単位時間当たりの仕事として定義されます

(動力)=(仕事)/(時間)    (式2.3.1.1)

 

動力の単位は、SI単位計ではワット\( (W) \)を用います。

\( 1W \)は、1秒当たり\( 1J \)(ジュール)の仕事をしたときの動力で、

\( 1W = 1 J/s = 1 N \cdot m/s \)

の関係があります。

 

例えば、井戸からおけで井戸水をくみ上げる場合を考えると

水が入ったおけ(おけ共で\( W (kg) \))を、\( l m \)の距離を\( t \) 秒でくみ上げるとすると、おけを引っ張り上げる力\( F \)は、

\( F = Wg \)   (式2.3.1.2)

ここで、\( g \)は重力加速度

 

1回の仕事は、

\( Wgl = Fl \)   (式2.3.1.3)

になります。

従って、動力\( P \)は

\( P = \displaystyle\frac{ Wgl }{ t } = \displaystyle\frac{ Fl }{ t } = Fv \)   (式2.3.1.4)

 

ここで、\( v (m/s) \)はおけを引っ張り上げる速度で、\( v = \displaystyle\frac{ l }{ t } \) になります。

図2.3.1.1 水のくみ上げ   ORIGINAL

 

 

2. 油圧の場合の液体動力

垂直に、質量\( W \)のウェイトを持ち上げる油圧シリンダを考えます。

持ち上げる力を\( F \)、速度を\( v \)として、油圧シリンダに油圧力\( P \)、流量\( Q \)の圧油を供給したときの流体動力\( L_{ p } \)は

\( L_{ p } = F \times v = P \times A \times \displaystyle\frac{ Q }{ A } = P \times Q \)   (式2.3.1.5)

 

流体動力は理論的には、油圧シリンダへ供給される圧油の油圧力\( P \)と流量\( Q \)との積で求められます。

図2.3.1.2 油圧シリンダの流体動力   ORIGINAL

 

 

 

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参考資料
油圧基礎技術テキスト   油圧機器メーカ研修資料
油圧教本_増補改訂版   油圧教育研究会  日刊工業新聞社  S53年

 

図表
Icon   Pixabay
図2.3.1.1 水のくみ上げ   ORIGINAL
図2.3.1.2 油圧シリンダの流体動力   ORIGINAL

 

ORG:2021/10/19