2.27 アルミニウム

2.27 アルミニウム(Aiminum)
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本コンテンツでは、純粋なアルミニウムの性状について記述していきたいと考えます。
Contents
1. アルミニウムとは
アルミニウムとは、元素記号Al、原子番号13の化学元素です。比重は2.70 g/cm3(室温)、融点660.32℃(933.47K)、沸点2 519℃(2 792K)の軽金属です。
アルミニウムは、密度は鉄の約3分の1、酸素との親和性が高くて、空気に接触すると表面に酸化皮膜(Al2O3)が形成され、内部が保護されて高い耐食性を持ちます。
常温・常圧で、熱伝導性・電気伝導性を有しています。
2. 製造方法
アルミニウムは、ボーキサイト(bauxite)を原料にして、ホール・エル―法(Hall–Héroult process)で生産されるのが一般的です。
ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理して、アルミナ(Al2O3;酸化アルミニウム)を取り出した後、氷晶石(Na3AlF6;ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム)と溶融し、電気分解を行います。コノホール・エルー法で得られる純度は98.5%ですので、より高純度のアルミニウムは三層電解法を用います。
図1 アルミニウムの精錬 出典:航空機用アルミニウム合金の系統調査 など
この電気分解のために、大量の電力が消費されることより、アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれます。アルミニウム1トン当たり生産するために必要な電力量は、13 ~ 14 MW・hです。これは、銅の1 200 kW・h、亜鉛で4 000 kW・hであり、銅の約11倍、亜鉛の約3.5倍の電力が必要になります。
従って、日本では、2014年を最後に、日本国内では精錬されておらず、アルミニウム地金は全量輸入に依存しています。
アルミニウムを、ボーキサイトから精錬してアルミニウム地金を生産するのに大量の電力を消費する生産するのに比較して、アルミ缶などからアルミニウム地金を生産するには、わずかに3%程度の電力消費で済みます。ただ、不純物の除去が難しく、リサイクル原料の選別など手間が必要なようです。
3. 用途
アルミニウムの比重は鉄の3分の1程度と軽量であるために利用しやすく、また、軟らかくて展性も高いなど加工しやすい性質を持っています。さらに表面にできる酸化皮膜のためにイオン化傾向が大きい割には耐食性もあることから、さまざまな用途に使用されています。
ただしほとんどの利用は、アルミニウム合金としてであり、純アルミニウム100%での用途は、1円硬貨のように限られたものになります。
アルミニウム合金については、
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図表
図1 アルミニウムの精錬 出典:航空機用アルミニウム合金の系統調査 など
MOD:2024/09/16
ORG:2024/08/11