3.14嵌め合い

3.14嵌め合い(Fits)

 

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1. 嵌め合いとは

機械部品では、丸い軸と丸い穴とを嵌め合わせているものが多いです。このように、穴と軸とがはまり合う関係を嵌め合いといいます。

嵌め合いは、丸軸と丸穴の関係の他に、キーとキー溝とのような平行2平面の形態の場合にも適用されます。2つの嵌合部品間の締まり具合または緩み具合を、部品のはめあいと呼びます。この場合、軸やキーのようなその製品の外側が対象となるものを外側形体といいます。一方、穴やキー溝のように内側になる部分が対象となるものを内側形体といいます。

嵌め合いの関係にある軸と穴とでは、軸の直径が穴の直径より小さい場合には隙間を生じます。逆に軸の直径が穴の直径より大きい場合は、締め代を生じます。この隙間あるいは締め代は、一般にはごく微量のものですが、この大きさは機械の性能ならびに寿命に極めて大きな影響を及ぼします。そのため、非常に精密な寸法に仕上げなければならないことが多いです。しかし、実際の加工では、どのように試みても精密に全く同一寸法のものを製作することは不可能です。

そのため、これらの部品同士の嵌め合いは、対象となる製品の使用する目的により、実用上差し支えない適切な大・小の二つの限界となる寸法を決めておき、その寸法範囲に仕上がった製品はすべて合格と判断することにより、大量生産が可能となり、かつ互換性を有する製品を作り込むことができます。

 

2. 嵌め合いの種類

嵌め合いには、穴および軸の直径の大小により、隙間嵌め、締まり嵌め、中間嵌めの3種類があります。
これらは、穴、軸の何れにも公差を許容して製作するものなので、実際の隙間あるいは締め代はある範囲にあります。

(1)隙間嵌め:

穴の最小許容寸法より軸の最大許容寸法が小さい場合をいいます。つまり、穴と軸との間に隙間があります。
穴の最小許容寸法と軸の最大許容寸法との差を最小隙間といい、穴の最大許容寸法と軸の最小許容寸法との差を最大隙間といいます。

(2)締まり嵌め:

穴の最大許容寸法より軸の最小許容寸法が大きい場合をいいます。つまり、穴と軸との間に締め代があります。
軸の最大許容寸法と穴の最小許容寸法との差を最大締め代といい、軸の最小許容寸法と穴の最大許容寸法との差を最小締め代といいます。

(3)中間嵌め:

穴の最小許容寸法より軸の最大許容寸法が大きく(両者が等しい場合も含む)、かつ穴の最大許容寸法よりも軸の最小許容寸法が小さい場合をいいます。
穴と軸との実寸法により、締め代ができる場合も有り、隙間ができることもあります。中間嵌めは、主として締まり嵌めより小さい締め代が要求される場合に用いるものです。そのため、必要に応じて選択組合せ、または調整を行わないと、必要とされる機能を確保できない場合があります。

図 嵌め合いの種類  参考:A Textbook of Machine Design (S.I. Units)

 

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参考文献
A Textbook of Machine Design (S.I. Units) R.S. Khurmi, J.K. Gupta EURASIA PUBLISHING HOUSE LTD. 2005年
JISにもとづく機械設計製図便覧  大西清  理工学社  2000年?

引用図表
図 嵌め合いの種類  参考:A Textbook of Machine Design (S.I. Units)

 

ORG:2025/04/11