3.5 鍛造(Forging)

3.5 鍛造(forging)

 

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1. 鍛造とは

鍛造は、機械加工法の内、塑性加工法の一種です。溶融温度以下の固体の状態ではあるが、塑性流動が可能な状態にある金属に、力を加えて必要とする形状に金属を流動させる加工法です。

鍛造温度から以下のように分類されます。
冷間鍛造(cold forging):材料を常温のままで成形鍛造
温間鍛造warm forging):再結晶温度以下の温度で成形鍛造。鍛造温度は、200 ~ 800 ℃で実施されます。
熱間鍛造(hot forging):素材の変形抵抗を減少させるために高温に加熱して成形鍛造。鍛造温度は、材料の材結晶温度以上、1 200 ~ 1 300 ℃で実施されます。

また、鍛造方法から以下のように分類されます。
型鍛造((die forging):鍛造用金型を用いて成形鍛造
自由鍛造(free forging):加工物を治具などにセットして、ハンマー等で成形鍛造

型鍛造は、大量生産に向いており、一方、自由鍛造は熟練の技術が必要で、少量生産向きといわれています。

 

flowchart of forging

図1 鍛造プロセス  出典:不明

 

 

2. 鍛造プロセスの長所

鍛造プロセスは以下の様な長所があります。:
1)材料が節約できます。製品の最終形状に近い形状、寸法に成形されます。また、型鍛造では、金型を使用することにより、機械加工すべき個所を少なくできます。
2)工作機械による切削工程が、省略または節減できます。
3)切削加工の困難な形状のものを量産できます。
4)組織が緻密となり、内部欠陥が低減できます。
5)引張り強さ、硬さなどの機械的性質のばらつきが少なくできます。
6)製品形状に沿ったメタルフロー(鍛流線)が得られます。
7)寸法のばらつきが少ない素景品が得られます。

 

 

3. 鍛造用素材

鍛造には、様々な素材が使用されます。
鉄鋼材料では、機械構造用鋼に分類される炭素鋼や低合金鋼、その他鍛造後の熱処理が不要な非調質鋼、耐熱鋼、ステンレス鋼など広範囲の材料が使用されます。
このほか、非鉄金属及び合金としては、銅合金、アルミニウム及びマグネシウム合金が使用されます。

次表は、熱間鍛造時に最適な温度範囲を示します。

 

材  料 熱間鍛造温度(℃)
低炭素鋼 750 – 1300
中炭素鋼 750 – 1250
高炭素鋼,合金鋼 800 – 1150
ステンレス鋼 940 – 1180
マグネシウム合金,アルミニウム合金 350 – 500
銅,真ちゅう,青銅 600 – 950

表2 各種材料の熱間鍛造温度  出典:A Textbook of Machine Design

 

参考文献
A Textbook of Machine Design  R.S. Khurmi, J.K. Gupta Eurasia Publishing House (PVT.) Ltd. 2005年

引用図表
図1 鍛造プロセス  出典:不明
表2各種材料の熱間鍛造温度  出典:A Textbook of Machine Design

REV:2024/08/01
ORG:2016/02/18