角運動量
角運動量(Angular Momentum)
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1. 角運動量とは何か
角運動量は、物体が回転運動をする際に持つ運動量の一種です。これは直線運動における運動量に相当する概念であり、物体の回転の状態を表す重要な物理量です。物体がどれだけ回転する力を持っているかを示し、回転軸に対してどのように運動するかを理解するために必要です。
2. 角運動量の定義
ニュートン座標系\( Oxyz \) に対して、質量mの粒子がベクトル速度 \( \vec{v} \) で運動しているある瞬間では、線形運動量は \( m \vec{v} \) のベクトル量で定義されます。ベクトル \( m \vec{v} \) の原点\(O\) まわりのモーメントは、その瞬間の\(O\) まわりのモーメントは、角運動量と呼ばれベクトル量 \(\vec{L} \) で表されます。
この粒子の位置ベクトルを \( \vec{r} \) で表すと、角運動量は以下の式で定義されます。
\( \vec{L} = \vec{r} \times m \vec{v} \)
\(\vec{L} \) は、\( \vec{r} \) と \( m \vec{v} \) とを含む平面に垂直で、大きさが
\( {L} = r m v \sin{ \phi } \)
の、ベクトル量です。ここで \( \sin{ \phi } \) は、\( \vec{r} \) と \( m \vec{v} \) の間の角度です。
\(\vec{L} \) の方向は、右ねじの法則が適用され、\( m \vec{v} \) の方向から決定され、回転軸に対して垂直なベクトルとしてあらわされます。
図1角運動量の定義 ORIGINAL
3. 角運動量保存則
角運動量保存則は、閉じた系(外部からのトルクが作用しない系)において、角運動量が時間と共に変化しないことを示します。これは、運動の初めから終わりまでの間において、物体が持つ総角運動量が一定であることを意味します。数学的には次のように表されます:
\( \displaystyle\frac{d\vec{L}}{dt} = 0 \)
つまり、角運動量 \( \vec{L} \) が時間 \( t \) に対して変化しないことを意味します。
4. 角運動量とトルクの関係
角運動量とトルク \( \vec{N} \) には重要な関係があります。トルクは、物体に対して回転を引き起こす力の作用を示し、次のように表されます:
\( \vec{N} = \vec{r} \times \vec{F} \)
ここで、\( \vec{F} \) は力のベクトルです。また、角運動量の時間変化はトルクによって決まります:
\( \displaystyle\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N} \)
この関係は、ニュートンの第二法則を回転運動に適用したものと考えることができます。
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5. 角運動量の実際の応用例
角運動量は、さまざまな工学および物理学の分野で重要な役割を果たします。
例えば、ジャイロスコープの動作原理、宇宙船の姿勢制御、さらにはスポーツにおける回転運動の解析などです。例えば、ジャイロスコープは、回転する物体の角運動量の保存を利用して、安定した方向を維持する装置です。
図2ジャイロスコープ 出典:Pixabay
6. 角運動量の数式表現と計算例
角運動量の具体的な計算例を示します。
例えば、質量 \( m \) が 2 kg の物体が、回転軸から 0.5 m の距離で速度 \( \vec{v} \) が 3 m/s で運動している場合の角運動量を求めます。
\( \vec{L} = \vec{r} \times m \vec{v} \)
\( m \vec{v} = 2 \, \text{kg} \times 3 \, \text{m/s} = 6 \, \text{kg m/s} \)
\( \vec{L} = 0.5 \, \text{m} \times 6 \, \text{kg m/s} = 3 \, \text{kg m}^2/\text{s} \)
このようにして、物体の角運動量を計算できます。
参考文献
Vector Mechanics for Engineers: Statics and Dynamics Beer Mc Graw Hill 2007年
Assisted by chatGPT
引用図表
図1角運動量の定義 ORIGINAL
図2ジャイロスコープ 出典:Pixabay
ORG:2024/06/02