偶力(couple)
1.20 偶力(couple)
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作用線が異なる、大きさが等しく向きが逆の平行な力は、偶力を形成します(図1)。
図1偶力の定義 ORIGINAL
2つの等しい平行な力の作用線間の垂直距離(x)は、偶力の腕(arm)とし呼ばれます。偶力の大きさ(つまり、偶力のモーメント)は、力の1つと偶力の腕との積になります。
数学的には、
\( 偶力のモーメント = F \times x \)
偶力は、並進運動(直線運動)を起こしません。偶力は、それが作用する物体に回転運動を生じます。
偶力の例としては、自動車のハンドルや、ボルトを締めるT型レンチなどがあります。
ここでは、偶力の例ではないですが、シーソーについて述べます。
シーソーがバランスをとれるのは、シーソーの支点に対して、時計回りのモーメントと反時計回りのモーメントが等しくなる場合です。
図2のように、シーソーの両側に、人が乗っている場合を考えます。片側には、体重60kgの男性が支点から2mの位置に立っています。反対側には、体重40kgの女性が支点から3mの位置に立っています。
この場合、男性は下向きに588 N(=60 × 9.8)の力として作用するので、支点に対して反時計回りのモーメント1176Nm(= 588 × 2)が働きます。
一方、女性は下向きに392 N(=40 × 9.8)の力として作用するので、支点に対して時計回りのモーメント1176Nm(= 392 × 3)が働きます。
従って、支点に対して反時計回りのモーメントと時計回りのモーメントが同じ値になり、シーソーはバランスがとれています。
図2 シーソーの例 出典:[参考]A Textbook of Machine Design R.S. Khurmi et al. EURASIA PUBLISHING HOUSE (PVT.) LTD. 2005
参考文献
A Textbook of Machine Design R.S. Khurmi et al. EURASIA PUBLISHING HOUSE (PVT.) LTD. 2005
引用図表
図1偶力の定義 ORIGINAL
図2 シーソーの例 出典:[参考]A Textbook of Machine Design R.S. Khurmi et al. EURASIA PUBLISHING HOUSE (PVT.) LTD. 2005
ORG:2024/06/18