2.7 最小肉厚

2.7 最小肉厚(minimum thickness)

スポンサードリンク

 

鋳型内を流れる溶湯は、鋳型との熱伝導により急激に温度が低下して、粘度が高くなり、流動損失も大きくなります。そのため、薄肉部では、湯回り不良や湯境などの鋳造欠陥が生じやすくなります。

したがって、溶融金属の種類や、鋳型材料により異なりますが、基準値以上の厚さにする必要があります。
表2.7.1に各種金属、合金の最小肉厚(minimum wall thickness)の基準値を示します。

%e8%a1%a82-7-1_%e5%90%84%e7%a8%ae%e9%87%91%e5%b1%9e_%e5%90%88%e9%87%91%e3%81%ae%e6%9c%80%e5%b0%8f%e8%82%89%e5%8e%9a

製品の設計上、基準値よりも薄い肉厚を必要とする場合は、鋳型に自己発熱性材料を使用したり、部分過熱するなどして、薄肉部での凝固を遅らせるように、鋳造方案を工夫する必要があります。

 

 

 

 

参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章

引用図表
表2.7.1  各種金属・合金の最小肉厚               機械工学便覧 第6版 β03-02章

 

2016/11/3
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。