2.9 音圧の実効値

2.9 音圧の実効値

音が強いか弱いかは、音圧の実効値を用いてあらわされます。
一般に、周期Tの時間関数をf(t)とすると、この関数の実効値は周期性があることより、時間Tに無関係な次式であらわされます。

daum_equation_1440894079520

 

正弦波の音波の音圧を、p=P0sin2πft とすると、音圧の実効値Pは、

P=P0/√2

になります(図2.9.1)。

ここで、音圧の実効値をPとあらわすのに対して、pは音圧の瞬時値といいます。

音圧というのは、音の強弱を表す尺度です。強い音は音圧が大きい音です。一方、弱い音は音圧が小さい音を意味します。

人間は通常、音圧の実効値で、2×10-5 ~ 60 Pa(N/m2)の範囲の音を聞くことができるそうです。
この値は、大気圧が1.0×105Pa位ですので、耳で聞くことができる音は、大きくても大気圧の 1/2000 位の気圧変化です。聞き取れる限界の音では大きい音の1/3000000位の極めて小さい変化であることがわかります。

しかし、小さいけれども音波は力学的な力を持っていることが、騒音対策を検討する場合に重要な意味を持ちます。

図2.9.1 音圧の実効値と瞬時値

図2.9.1 音圧の実効値と瞬時値