1.3 摩擦・摩耗の低減方法

1.3 摩擦・摩耗の低減方法(Method for reducing friction and wear)

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人類は、自らの能力を拡張するために道具の発明を行い、それがさらには機械に発展しました。
機械は「動く」ことが最も基本的な要求事項です。機械を動かす時に、摺動する部分が滑らかかつ軽く作動することが求められます。また、長期にわたって使用可能なように摩耗に対する考慮が必要になります。これらの要求される特性は、トライボロジー(潤滑)に深くかかわっています。

機械が摺動する部分を潤滑することは、機械が発明されたのとほぼ同時期に考えられたと思われます。それが、産業革命の進展に伴い、機械が広い範囲で使われるようになり、また複雑化することにより、潤滑の重要性が増してきました。

動力の損失をどのようにして減らすかという課題の解決のために、古くから摩擦や摩耗について研究が進められてきました。近年は、機械の高精度化や小型化、省エネルギー対策、メンテナンスフリーなどの多くの課題が、機械に要求されてきています。

その結果、機械の摺動部分へ過酷な要求がされてきています。このため摺動部分の挙動は潤滑という狭い範囲の興味にとどまらず、摺動面の性状やそれを形成するための加工なども含めた、トライボロジーとしてとらえる必要があります。

ここでは、相対する2面間の摩擦や摩耗を低減する方法について調べてみましょう。基本的には相対する2面間に何等かの方法で引き離すことが必要です。

その方法として、考えらえるものとして、次のようなものが考えられます。
(1)2面の間に流体を導入する:静圧、動圧、油膜、空気圧
(2)2面の間に固体を導入する:固体潤滑剤、転がり案内
(3)その他:磁場

以下に、概要を示します。

図1.3 (a) 2面間に流体を導入

図1.3 (b) 2面間に固体を導入

図1.3 (c) その他

 

 

参考文献
トライボロジー入門   岡本純三  幸書房
潤滑故障例とその対策   日本潤滑学会編   養賢堂

引用図表
 [図1.3.(a).(b).(c)] 摩擦と摩耗の低減方法 トライボロジー入門他より改

 

ORG: 2018/5/12