JR東日本、走行中に線路点検(ビッグデータの分析)

JR東日本、走行中に線路点検(ビッグデータの分析)  日経新聞

[要旨]
JR東日本は、営業運行している車両に高精細のセンサーやカメラを載せ、運転しながら得られる膨大な情報を集めて既存データや担当者による目視結果とすり合わせることにより、線路の異常などを日々変化するデータで把握できるようになり、将来起こる可能性のあるトラブルの芽を摘み取り、運休・遅延を減らす試みを始めだしました。

J[詳細]
R東日本は、車両に搭載したレーザーを線路に照射して、レールのゆがみや削れ具合をチェックしてデータを収集します。また、高精細カメラでレールや枕木を固定するボルトの緩みや落下を検出します。収集したデータと現場担当者の目視による検査結果との誤差などを分析して、どんな数値が出たら修繕や補修が必要かを精査するようにします。

まず2015年4月に中央線でデータ収集を始め、5月には試験走行を始めた山手線の新型車両にも搭載しました。今秋までに京浜東北線でも始め、2016年度以降は東北本線など地方路線でも実験を検討しているとのことです。

山手線の新型車両には、電線や支柱を調べるシステムも搭載するそうです。電線と接触するパンタグラフに加速度計を設置して異常があれば警報を鳴らします。電線と支柱とのつなぎ目には通信機能付きセンサーを取付け、電線の張り具合や温度のデータを近くを走る電車を経由して管轄するセンターに集約するようにします。

これまでは、現場担当者がレールや架線などの状況を目視で調べて、3か月の1回の検査用の専用車両を走らせていました。営業車両を活用できれば、車両が運行していない夜間を修繕工事などに振り向けやすくなります。また、鉄橋の上やトンネル内等の担当者が入りにくいエリアも把握がしタスクなると考えられます。

2018年度までには本格的に運用できる体性を創るとのことです。

JR東日本記事用

[背景]
JR東日本では、2013年度、車両や設備の故障などによる列車の運休・遅延が1385件発生しました。
路線の相互乗り入れ運転が増加して、一つの事故が他路線への連鎖的な遅れにつながるケースも目立ってきています。2015年4月には、山手線の架線の支柱が倒れる事故が起きました。郡山駅付近で架線が切れ、東北新幹線などが一部運転を見合わせることもありました。
日々のデータを取集できれば、事故を未然に防げた可能性があったとのことです。

予防体制が充実すれば、トラブルの減少につながる期待があります。

日本経済新聞 2015/5/29 朝刊

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