歯車減速機の減速比は整数比を避ける

歯車減速機の減速比は、整数としないのが常識です。どうしてでしょうか?

 

 

 

[回答例]

1.減速比と回転数

歯車減速機は2個の歯車(ピニオン(入力軸側歯車)とギア(出力軸側歯車))が噛み合って、それらの歯数の比により減速比(増速比)が決まります。
例えば、ピニオンの歯数が18枚、ギアの歯数が54枚とすると、減速比は54/18=3になります。ピニオンの回転数が1800rpm(30s-1)とすると、ギアは、1800/3=600(rpm)(10s-1)で回転します。

60Hz地域では、1800rpmは4極電動機の同期回転数になります。通常は誘導電動機を使用するので、すべりがあり無負荷状態では1750rpm程度で回転しています。負荷がかかればさらに回転数は低下します。

 

2.実際の歯車減速機の減速比の考え方

ピニオンとギアとの歯数の比が整数の場合、ピニオンが回転するとき、それぞれの歯は、ギアの特定の歯と常に噛み合うことになります。
歯車の歯型形状を測定すると、ミクロ的には歯型誤差があります。従って、特定の歯同士が噛み合うと、異音や特定の歯の摩耗の促進などが起こり、減速機の異音や、振動、寿命低下が起こりやすくなります。
減速機メーカでは、減速比のカタログ値が整数であっても、多くの場合正確な整数比になっていません。
例えば、ピニオンの歯数が18枚の場合、ギアの歯数が変化するときの減速比と、その良否を示します(表1)。

自動機械に組込む必要がありどうしても、整数の減速比が必要な場合は、発注時に特別に指示する必要があります。

表1 減速比の例と良否   参考:よくわかる歯車のできるまで

 

 

参考文献
改訂・増補版 機械現場のQ&A   宗 孝  化学図書出版  2006年
よくわかる歯車のできるまで   坂本卓  日刊工業新聞社  2006年

 

引用図表
Icon   イラストAC
表1 減速比の例と良否   参考:よくわかる歯車のできるまで

 

 

ORG:2021/08/16

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA