Ⅰ.3.2 加工方法別面粗さ比較(surface roughness by machining machine)
加工方法別の製作可能な面粗さについて示します。
図Ⅰ.3.2.1 にRmaxとRaで表した場合の加工方法別の製作可能面粗さを示します。
図Ⅰ.3.2.1 加工方法別面粗度表面 (Rmax,Ra)
この表は、素性の異なる2つの表(Rmaxに関するものと、Raに関するもの)をマージしたものです。一部(?)に整合性のとれていないところがあります。
私の持っているデータは、今の会社で品質管理業務を通じて経験したもので、この表に埋め込むことはできませんが、大体はあっているということでご参考にしてください。
よく教科書に書かれているRmaxとRaとの関係、
Ra=0.25Rmax
の関係が成り立つのは粗さ曲線が三角波の場合のみです(図Ⅰ.3.2.2)。当然、ノーズ半径を持った刃具での旋削加工や、フライス加工、研削ではこの関係は成り立ちません。
図Ⅰ.3.2.2には、加工機械により、大体ですがRmaxとRaとの関係が示されています。ただ、この関係は切削・研削条件により、あなたの会社が使われる加工機でのデータに基づくべきです。古い図面を参照する際には、面粗さの設定には十分注意してください。
図Ⅰ.3.2.2 加工方法によるRmaxとRaとの関係
この他、次のような場合に注意が必要です。
1.漏れが許されない面の場合は、Rmaxで面粗さを規定する方が良いです。
2.エンジンのシリンダブロックのように、耐荷重性と良好な潤滑性を要求する面には、Raだけでなく、アボットの負荷曲線と呼ばれるパラメータを考慮する必要があります。
本項は、まだまだ書き足りないところがありますので、随時内容を追加していきます。
参考文献
JISにもとづく機械設計製図便覧 大西清 理工学社
東京精密(株)殿 講習会資料
引用図表
図Ⅰ.3.2.1 加工方法別面粗度表面 (Rmax,Ra) JISにもとづく機械設計製図便覧他より作成
図Ⅰ.3.2.2 加工方法によるRmaxとRaとの関係 東京精密(株)殿講習会資料