4.4.1 油圧制御弁の基礎

4.4.1 油圧制御弁の基礎(basic of hydraulic control valve)

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1.油圧制御弁の選定

油圧制御弁は、油圧回路における圧力及び、流量、流れ方向を制御して、シリンダなどのアクチュエータに目的とする動作を行わさせる働きをします。その使用目的により、圧力制御弁及び、流量制御弁、方向制御弁があります。その他に電気信号により圧力や流量を制御するサーボ弁や比例電磁式制御弁があります。

油圧制御弁の選定条件としては、圧力や流量の他に、作動形式、取付方式、絞り特性、制御性、安定性、ポートサイズ、外形寸法など、多くの項目が挙げられます。さらに、耐久性や、価格、入手性なども考慮する必要があります。

弁の選定としては、メーカのカタログに記載されている定格流量値や、最高使用圧力値、圧力損失値を参考にして選定する必要があります。ここでは、ダイキン工業(エアコンだけでなく油圧機器も作っています)のカタログ例を示します。大手のカタログで圧力損失曲線が記載されています。記載がない場合は、定格流量時の圧力損失値を用い、定格流量以外の流量では次式により概算することができます。

\( \Delta P = \Delta P_{ r } ( Q / Q_{ r } ) \)

ここで、\( \Delta P_{ r } \)は定格流量\( Q_{ r } \)のときの圧力損失値を用います。

図4.4.1.1 方向制御弁の圧力損失曲線

 

 

2.油圧制御弁の様式

油圧作動油を制御する制御様式の基本的なものは、ポペット弁及び、スプール弁、回転弁などがあります。これ以外にも、ノズルフラッパ弁や、噴射管といわれる特殊な形状のものもあります。実際の制御弁ではこれらを単独で或いは組み合わせて使用されます。

(1)ポペット弁

ポペット弁は、ポペット及び、スプリング、シートで構成されています。ポペットの形状は、円すい形や、球形、平面状などがあります。動作中は、閉じている(ポペットが着座している)か開いた状態かの何れかです。このタイプは低コストで製作が可能で、スプール弁と比較すると漏れが少ない長所があります。一方、短所としては、ポート数が制限されること、制御性が悪いことなどがあります。

図4.4.1.2 ポペット弁の例

 

(2)スプール弁

スプール弁は、いくつかのランドで仕切られた円筒状に仕上げられた中空部を持つボディとその中空部を軸方向に摺動するスプールで構成されています。長所は制御ポートの数が多く取れること、制御性が良いことなどです。一方短所としては、スプールが摺動するためにボディとの間にクリアランスが必要なため、常時漏れが発生すること。精度が良い加工を必要とするため、加工コストがかかることです。

図4.4.1.3 スプール弁の例

 

(3)回転弁

回転弁は、スリーブとスプールとから構成されます。何れも作動油の通路となる溝と穴が適切な位置に設けられています。スプールはスリーブ内を回転することで、流路の切り替えが行われます。一部の車両のステアリング系に用いられています。

図4.4.1.4 回転弁の例

 

3.油圧制御弁の機能別の分類

油圧制御弁を機能別に分類してそれぞれの目的と対象となる弁の種類について記述します。

(1)圧力制御弁

・機能:作動油の圧力を制御する役割です。
・細分類:リリーフ弁や、減圧弁、シーケンス弁、アンロード弁、カウンタバランス弁、サージ減衰弁、電磁比例圧力制御弁などが分類されます。

(2)流量制御弁

・機能:作動油の流量を制御する役割です。
・細分類:絞り弁や、流量調整弁、分流弁、スローリターン弁、バイパス形流量調整弁などが分類されます。

(3)方向制御弁

・機能:作動油の流れの方向を制御する役割です。
・細分類:方向切換え弁や、デセラレーション弁、逆止弁、プレフィル弁、シャトル弁、比例式絞り方向制御弁、パイロット操作逆止弁などが分類されます。

 

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参考文献
実用油圧ポケットブック_2012年版 (一社)日本フルードパワー工業会
油圧教本 増補改訂版  塩崎義弘他  日刊工業新聞社
電子-油圧制御  一柳健    日刊工業新聞社
Fliuid Power Engineering  M.Galal Rabie, Ph.D.  The McGraw-Hill Companies, Inc.

 

引用図表
図4.4.1.1 方向制御弁の圧力損失曲線  ダイキン工業油圧機器カタログ
図4.4.1.2 ポペット弁の例   Fluid Power engineering
図4.4.1.3 スプール弁の例   Fluid Power engineering
図4.4.1.4 回転弁の例   Fluid Power engineering

 

 

ORG: 2021/01/14