1.2 トライボロジーとその役割
1.2 トライボロジーとその役割(Tribology and its role)
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1.歴史時代におけるトライボロジー
トライボロジーという言葉は、1966年のJOST報告で初めて作られた造語ですが、トライボロジーの協議の概念である潤滑を考えれば四大文明にまでさかのぼることができます。
図1.2.1は、B.C.2400年ごろのエジプト第5王朝時代の有力者ティ(Ti)の墓に彫られたレリーフです。Tiの像を運搬するそりを滑らかに動かすために、そりの前で潤滑剤(おそらくは水)を撒いている人がおそらくは世界最初のトライボロジスト(tribologist)と言われています。
図1.2.1 古代エジプト第5王朝時代の墓
また、図1.2.2は、レオナルド・ダ・ビンチの手稿に残されたスラストボールベアリングの構想図を示します。
図1.2.2 レオナルド・ダ・ビンチの手稿に残る玉軸受の構想図
2.自然界におけるトライボロジー
今後、発生が懸念されている南海トラフ地震や東海地震などの巨大地震の発生メカニズムは、太平洋側から移動してくる海のプレートが日本が乗っている陸のプレートの下に潜り込む際に、あるところまでは接触摩擦により陸のプレートが海のプレートに引きずられて潜り込むものが、ある限界点を超えると一挙に元の状態に戻ろうとして跳ねて、地震が発生します(図1,2,3)。この現象も巨視的なトライボロジー現象です。
図1.2.3 巨大地震が発生する仕組み
3.産業界におけるトライボロジー
現代社会で我々は、機械に囲まれて暮らしています。身近なところでは自動車、エンジンが動くのも、タイヤが回るのもトライボロジーに関連します。図1.2.4に自動車のサスペンションに使用する玉軸受の例を示します。
図1.2.4 自動車のサスペンション
2019/9/19:本項は、さらに記事を追加していく予定です。
参考文献
トライボロジー入門 岡本純三 幸書房
トライボロジー入門 東海大学海洋工学部テキスト
Tribology 101 – Introduction to the Basics of Tribology BRUKER
NTN商品カタログ
引用図表
図1.2.1 古代エジプト第5王朝時代の墓 Tribology 101
図1.2.2 レオナルド・ダ・ビンチの手稿に残る玉軸受の構想図 Tribology 101
図1.2.3 巨大地震が発生する仕組み 東海大学海洋工学部テキスト
図1.2.4 自動車のサスペンション NTN商品カタログ
ORG: 2019/9/19