4.1 表面損傷の種類

4.1 表面損傷の種類(Types of surface damage)

 

摺動面が乾燥摩擦状態や混合潤滑状態で摺動が繰返されると、最終的には表面が損傷します。代表的な摺動面の損傷例を表4,1,1に示します。

摺動・転動面の表面損傷は、大きく次の3つに分類することができます。

(1)摩耗

(2)焼付き

(3)はく離(剥離)

摩耗については、いろいろな形態があります。詳細を別項で記述する予定です。
また焼付きは、摩耗現象が少しずつ進行する現象(逐次現象)であるのに対して、急激に生じます。その時まで、通常の摩擦現象で推移していたものが、ある時何かの拍子に摺動面間に巨視的な凝着を生じて、大きな損傷を受けて機器の寿命を終えます。

もう一つのカテゴリーは、材料の疲れ破壊による表面のはく離です。はく離については外観の様子は様々です。凹み(pit)、薄片(flake)、破片(spall)などの形態がありますが、それぞれピッチング、フレーキング、スポーリングが発生しているといわれます。

表4.1.1に示す損傷形態についてはこれらの3つの形態が示されていますが、本項では最もよく遭遇する摩耗について、次項からもう少し詳細に見ていきましょう。

表4.1.1 部品別の代表的な損傷事例

 

 

参考文献
トライボロジー入門   岡本純三 他   幸書房
潤滑故障例とその対策  日本潤滑学会編  養賢堂
摩擦・摩耗・潤滑  岡部平八郎  日本ゴム協会誌Vol61No5(1988)

 

引用図表
表4.1.1 部品別の代表的な損傷事例    ORG

 

ORG:2018/10/24
REV:2018/10/27