ウェーバー・フェヒナー(Weber-Fechner)の法則
ウェーバー・フェヒナー(Weber-Fechner)の法則
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一般的には、“人間の感覚量は刺激量の対数に比例する”であらわされます。
聴覚について考えると以下のようになります。
人間の聴覚は、五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)と呼ばれる感覚の内の一つです。聴覚は耳から鼓膜、耳小骨、蝸牛を通して脳の神経に伝達する音を感じる能力です。
人間が耳から感じる音の大きさは、感覚量としてあらわされます。私たちが「大きい音」、「小さい音」として表現するのは、主観的な感覚上の音の大小をいいます。
それに対して、耳に到達する音の圧力は、刺激の物理量としてあらわされます。
この刺激の物理量と、先に述べた感覚量とは正比例の関係ではなく、「刺激の増加量と感覚の増加量との比は刺激の絶対量に反比例する。」という関係があります。
すなわち、
これを積分すると
ここで、
y:感覚量 ⊿y:感覚の変化量
x:刺激量 ⊿x:刺激の変化量
x0:基準刺激量(最小刺激感知量)
k,k0:比例定数
この2つの式をあわせて、ウェーバー・フェヒナー(Weber-Fechner)の法則といいます。
例えば、静かな電車内でおば様たちが大きい声で話されているのを聞くとうるさく感じてイライラしますが、車がビュンビュン走っている道路のそばで、大声でしゃべっていてもあまり気になりませんよね。
もう少し、本サイトにふさわしい書き方をすると、
スピーカーの出力が、1Wから2Wへ”1W”大きくなったときと、10Wから11Wに同じく”1W”大きくなったときとを比較すると、
1Wから2Wへ大きくなったときは、人間の耳には音が大きくなったと感じることができます。一方、10Wから11Wに同じく”1W”大きくなったときは、音の変化を感じることは難しいのです。
つまり、1Wから2Wへの変化は「2倍」ですが、10Wから11Wへの変化は「1.1倍」になり、刺激量が大きくなるにつ入れて、感覚的には鈍感になるということを示しています。
音はこの法則に基づいて感覚量を定めています。
なお、ウェーバー・フェヒナー(Weber-Fechner)の法則は、視覚や嗅覚などの感覚にも当てはまります。
おならは最初は臭いけど、続けて出ていたら、だんだん感覚的に鈍くなってきますよね(私だけか)。
REV.:2019/7/2
ORG.:2015/12/12