2.1.2 レイノルズ数

2.1.2 レイノルズ数(Reynolds number)

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1.レイノルズ数とは

レイノルズ数は、粘性流体の流れで ”流れの相似” を表す無次元数です。流れの問題や現象を扱う場合に基本となります。基本的に、レイノルズ数が等しい流れは、流れは相似の関係になります。

レイノルズ数は、次式で定義されます

\(Re 数 = \displaystyle \frac{ \rho DV }{ \mu } = \frac{ DV }{ \nu } \)  (式2.1.2.1)

ここで、

\( D \):管内径 \( ( m ) \)
\( V \):平均流速 \( ( m/s ) \)
\( \rho \):流体密度 \( ( kg/m^3 ) \)
\( \mu \):粘性係数 \( ( kg/(m・s) ) \)
\( \nu = \displaystyle \frac{ \mu }{ \rho } \):動粘性係数 \( ( m^3/s ) \) 

レイノルズ数は、慣性力と粘性力との比の意味を持ちます。

\( \displaystyle \frac{ 慣性力 }{ 粘性力 } \propto \frac{ 質量 \times 加速度 }{ 粘性によるせん断力 \times せん断面積 } \)  (式2.1.2.2) 

ここで、長さを\( L \)、時間を\( T \)とすると

\( 慣性力 = 質量 \times 加速度 = \rho L^3 \times LT^{-2} \)

\( 粘性力 = 粘性によるせん断力 \times せん断面積 = \mu VL^{-1} \times L^2 \)

になりますので、

\(  \displaystyle \frac{ 慣性力 }{ 粘性力 } \propto \frac{ \rho l^3 \times ( L/T^2) }{ \mu ( V/L ) \times L^2 } = \frac{ \rho L^2 V^2 }{ \mu LV} = \frac{ \rho VL }{ \mu } = Re数 \)

ここで\( L \)は特性長さと呼ばれるもので、円管路の場合は内径\( D \)になります。円形以外の管路や、開水路の場合は濡れ縁長さに基づいた相当直径\( D_{ H } \)を求めて代表長さとします。

\( D_{ H } = \displaystyle \frac{ 4A }{ L_{ H }} \) 

ここで、

\( A \):断面積 \( (m^2) \)
\( L_{ H } \):濡れ縁長さ \( (m) \)

以下に代表的な管路形状の相当直径を示します。

表2.1.2.1  色々な管路の等価直径

 

2.レイノルズ数の物理的意味

レイノルズ数は、式2.1.2.2より粘性力に対する慣性力の強さを表しています。粘性力は周りの流体要素と同じように動こうとする力であり、慣性力は周りの流体要素とは別に動こうとする力です。

粘性力が慣性力に対して極めて大きい場合は \( Re ≒ 0 \)となって、ストークスの法則が成り立つ範囲になります。反対に慣性力が粘性力に対して極めて大きければ、\( Re ≒ \infty \)になり流れの状態は完全流体の流れとみなせます。

管路内の流れでは、層流と乱流とを区別する指標として、レイノルズ数が用いられます。粘性力が慣性力に対して大きな範囲、すなわちレイノルズ数が小さい範囲は層流になります。反対に慣性力が大きい流れ、すなわちレイノルズ数が大きい範囲では流れは乱流になります。

層流が乱流の変化する際のレイノルズ数を、臨界レイノルズ数といいます。円管内の流れでは、2300~4000の範囲になります。この範囲では、層流にも乱流にもなり得るので繊維流と呼ばれます。配管粗さや流れの均一性の程度などの要因により変化します。

 

 

 

参考文献
配管設計実用ノート   西野悠司   日刊工業新聞社

 

引用図表
表2.1.2.1  色々な管路の等価直径    ORG

 

ORG:2020/11/12