工場の役割と種類

工場の役割と種類(roles and types of factories)

 

 

スポンサーリンク

アフィリエイト広告を利用しています。

 

このコンテンツは、主として中小企業様向けに、品質改善や、生産改善、要はものづくりについて、管理人が50年弱経験して実践したことを、皆様にお伝え出来ないかと考えて作成しています。

 

1. 工場の役割

ものづくりをする工場は、原材料や部品などを加工・組み立て・製造することで、新たな価値を生み出す施設です。その役割は、大きく分けて以下の6つに分けられます。

(1)製品の製造
工場の最も重要な役割は、製品を製造することです。工場では、原材料や部品を組み合わせて、製品を組み立てたり、加工したりします。また、食品や化学製品などの製品は、原材料の性質を変化させることで製造します。
前者を製品工場・部品製造工場ともいいます。後者は素材工場・加工工場ともいいます。
これには、生産ラインの管理や工程の最適化などの取組みも含まれます。

(2)製品の品質管理
工場では、製造された製品の品質を一定に保つために厳しい品質管理システムを構築することも重要な役割です。品質管理業務には、製品の検査や試験、不良品の出荷防止、および品質管理システムの維持向上などが含まれます。

(3)製品のコスト管理
工場では、製品のコスト管理も重要な役割です。コスト管理には、原材料費や人件費、設備費などのコストを削減するための取り組みが含まれます。

(4)工場の技術革新
工場に、新しい技術や製造方法を導入することにより、製品品質を向上させ、生産効率を高めることも重要です。これには、DXに代表される自動化技術やコンピューター制御システムなどの最新技術が活用されることがあります。

(5)環境対策
工場は、環境に配慮した製品の製造や、環境に配慮した生産活動を行うことも重要な役割です。環境対策には、省エネルギーや廃棄物削減などの取組みが含まれます。

(6)雇用の創出
工場は、製造業務を担う労働者や技術者、管理職など多くの雇用機会を提供します。これにより、地域社会に多くの雇用機会を提供して、地域経済の発展に寄与します。

 

 

2. 工場の種類

工場は生産する製品やサービスによって多様な形態が存在します。経済産業省が毎年発表している産業別統計表によれば、24の区分に分類されています(図1)。以下には、産業別分類にとらわれずに分類してみましょう。

図1 2021年産業中分類別製品出荷額   出典:2022 年経済構造実態調査二次集計結果 <製造業事業所調査>

 

製造する製品の種類による分類

ものづくりをする工場には様々な種類があり、それぞれ異なる製品やサービスを提供しています。主な種類とその内容は以下の通りです。

(1)自動車工場
自動車や関連部品を製造する工場です。自動車の製造には、部品の加工、組立て、塗装、最終検査など多岐にわたる工程があります。効率化と品質管理が重要で、ロボット技術や自動化が進んでいます。

(2)食品工場
食品の加工、製造、包装を行う工場です。食品の安全性が最重要視され、原材料の選定から加工、包装、配送まで衛生管理が徹底されています。多様な食品の製造工程があり、品質保持のための技術が駆使されています。HACCP(ハサップ)は、食品の安全性の向上と品質管理の徹底に対する社会的な要請に対し、食品製造業界全体に導入されています。

(3)電子機器工場
コンピュータや家電などの電子機器を製造する工場です。高度な精密技術を要し、微細な部品の製造や組み立てが行われます。品質管理と生産効率の向上が課題で、最新の技術が常に導入されています。

(4)化学工場
化学製品や医薬品などを製造する工場です。化学反応を利用して多様な化学製品を生産します。安全性の確保と環境への配慮が重要で、厳しい法規制下での運営が求められます。

(5)重工業工場
鉄鋼や重機械など、重工業製品を製造する工場です。大型の製品を製造するため、広大な敷地と大規模な設備が特徴です。重機械や鉄鋼製品の製造には、高度な技術と体力を要する作業が多いです。

(6)繊維工場
衣類や布地など繊維製品を製造する工場です。繊維製品の製造には、デザイン、織り、染色、縫製など複数の工程があります。流行の変化に対応するため、柔軟な生産体制が求められます。

 

これらの工場では何れも、原材料や部品の調達、製造工程の設計・管理、製造機械の運転・保守、製品の検査・出荷など、さまざまな業務が行われています。

また、工場の規模や生産する製品の種類によって、工場の設備や技術は大きく異なります。

例えば、自動車工場では、巨大なプレス機や溶接機、塗装機など、さまざまな製造機械が使用されています。また、家電工場では、組立ラインと呼ばれるベルトコンベヤー上で、製品が自動的に組み立てられています。

 

このように、ものづくりをする工場には、さまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。

 

 

 

参考文献
今と未来がわかる工場   多田夏代  ナツメ社 2022年

2022 年経済構造実態調査二次集計結果 <製造業事業所調査>

 

引用図表
図1 2021年産業中分類別製品出荷額   出典:2022 年経済構造実態調査二次集計結果 <製造業事業所調査>

 

ORG:2024/01/15