28.4 歯車の分類
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28.4 歯車の分類(classification of gears)
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歯車は、円板や、円柱(無限大の大きさを含む)、円すい体の周囲に規則正しく設けられた歯を設けたもので、一対の軸に取付けられた歯同士のかみ合いにより運動を伝達します。
歯車の分類の仕方にはいろいろ考えられますが、本項では一対の歯車の軸関係で分類します(表28.4.1)。
表28.4.1 歯車の種類
1.平行軸(parallel shaft)
(1)平歯車(spur gear):歯すじが軸に対して平行な円筒歯車。専業メーカからカタログ品が販売されており、簡単にギアトレインの製作ができます。管理人も、試験装置に組み込む回転軸をずらすギアトレインをカタログ品で設計しました。
(2)はすば歯車(herical gear):歯すじが傾いている円筒歯車。噛合いは静かですが、軸力が発生します。軸力を打ち消すため、ねじれ方向が逆のはすば歯車を一体化したものをやまば歯車(herringbone gear)といいます。はすば歯車同士の組合せにより3種類あります。
比較的騒音が少なくかみ合いも滑らかなので、産業用減速機に多用されています。
(3)内歯車(internal gear):内径側に歯が刻まれている歯車。遊星歯車装置などに用いられます。
(4)ラック(rack):歯が直線状に刻まれたもので、基準円が無限大になった歯車に相当します。回転運動を直線運動に変換することが出来ます。工作機械などの送り装置に用いられます。
(5)非円形歯車(non-circular gear):基準円が真円でない歯車。等速入力回転を不等速回転運動に変換します。
2.交差軸(intersecting shaft)
(6)すぐかさば歯車(straight bevel gear):歯すじが基準円すい母線と一致する かさ歯車。工作機械や機械装置の動力伝達装置に用いられます。
(7)まがりばかさ歯車(spiral bevel gear):傾いた曲線の歯すじを持つ かさ歯車。静粛運転が可能で、強度も大きいです。自動車やトラクタなどの減速装置に用いられます。
(8)コニカルギア(conical gear):軸方向に歯厚が一様に変化するインボリュート歯車。かさ歯車と比較して組立が容易で、小さい軸角にも対応できます。平行軸で使われる場合もあります。
(9)フェースギア(face gear):円筒歯車と円板状歯車とが噛合う歯車対。食違い軸歯車の場合もあります。
3.食違い軸(skewed shaft)
(10)ねじ歯車(skew gear, crossed helical gear):任意のねじれを持つはすば歯車を食違い軸状にかみ合わせた歯車対。負荷能力は小さいですが、増速も可能です。自動機械などに用いられます。
(11)ウォームギア(worm gear):ウォーム(worm)とウォームホイール(worm wheel)とからなる食違い軸歯車対。大きい減速比が得られます。通常は、2軸が直角な場合の動力伝達に用いられます。比較的小型な装置で大きな速度伝達比が必要な減速装置に用いられます。
(12)ハイポイドギア(hypoid gear):食違い軸間に運動を伝達するかさ歯車対。小歯車の歯数を少なくすることが出来ます。静粛で強度的にも強いですが、焼付きやすいです。自動車の差動歯車装置などの用いられます。
図28.4.2 歯車の分類写真
参考文献
機械工学便覧 第6版 β04-1-04章
Marks’ Standard Handbook For Mechanical Engineers-10Th
引用図表
表28.4.1 歯車の種類 機械工学便覧
図28.4.2 歯車の分類写真 参照:機械工学便覧他
ORG:2020/8/11