2.17 バンドレベルとオーバーオールレベル

2.17 バンドレベルとオーバーオールレベル

サイレンのような単一周波数からなる純音の場合は、その音に対して、一つの周波数における、一つの音圧レベルの音を聞くことになります。しかし大概の場合は、色々な周波数成分からなる複合音の場合には、各周波数バンドの音を別々に分離して聞きわけるわけでは無く、それらが合成された音として、全体を一つの音として聞くことになります。

この合成する前の各バンドごとの音圧レベルをバンドレベルといいます。そして、合成された全体の音のレベルをオーバーオール音圧レベル(全音域音圧レベル)といいます。

オクターブバンドの場合のバンドレベルは、オクターブバンドレベル、1/3オクターブバンドの場合のバンドレベルは、1/3オクターブバンドレベルになります。

ある複合音の各オクターブバンドレベルをLi(dB)(i=1~8)とすると、

音圧レベルの定義から、

daum_equation_1462241573528

になります。ここで、Jiは各バンドの音の強さを示します。

これから、Jiを求めます。

daum_equation_1462241670674

従って、

daum_equation_1462241782987

daum_equation_1462241897453

となります。

これより、合成音の強さJは

daum_equation_1462242225635

合成音の音圧レベル(オーバーオールレベル)Lは、

daum_equation_1462242427724
になります。

オーバーオールレベルは、バンドレベルをエネルギー的に加算したものと考えられます。

ここで注意いしなければならないのは、音の物理的な性質は、オーバオールレベルと騒音スペクトル(図2.17.1)であらわすことができますが、騒音として考えた場合は、人間の反応を考慮する必要があります。

図2.7.1_騒音スペクトルの例