3.4 騒音のうるささと知覚騒音レベル(Perceived Noise Level)

3.4 騒音のうるささと知覚騒音レベル(Perceived Noise Level)

騒音の大きさと騒音のうるささとは同じものではありません。
大きさの方は純粋に物理的な量ですが、うるささは、大きさばかりではなく、温度、湿度、背景などの周囲の環境や、体調、年齢などの個人の特性も関係します。

こんな経験はありませんか。例えば、ある大きさの音を、昼間事務作業をしながら聞いた場合は、それほどうるさいと思わなくても、夜就寝前に聞いた場合はうるさく感じると思います。このように、音の大きさは同じであっても、その音を聞く環境によって、うるささの感じは大きく異なります。

つまり、騒音のうるささを扱う場合は、騒音源の種類と、その騒音を聞く場合の環境を常に考慮しなければなりません。

本項では、航空機騒音についての考え方を紹介します。
航空機騒音が居住地に与える影響については、K.D.Kryterが、その うるささ について触接的に評価する方法を発表しました(年)。それが、航空機騒音に関する評価方法としてISOに採用されています(ISO)。

色々な航空機の騒音について、どれくらいうるさいかを居住地の住民を対象にして、アンケート調査を実施しました。その結果に基づいて、図3.3.1と同様なオクターブバンドごとの等Noiseness曲線を求めました(図3.4.1)。本図では、うるささ の指数として ”noy” が用いられています。この ”noy” は、”sone” と同じ概念です。例えば、4noyの騒音は、2noyの2倍のうるささをあらわします。

騒音のうるささは、Stevens の方法で ”音の大きさのレベル” を求めるのと同様な方法で、以下に示すように求められます。

1. 騒音を、オクターブで分析して、各バンドレベルに相当する ”Noise Index(noy)” を、図3.4.1を用いて求めます。これをNi(i=1~8)とします。

等ノイズネス曲線

2. 次に、全体の Noise Index Nt を次式より求めます。

daum_equation_1451053292223

ただし、Nm:最大のNoise Index(noy)
ΣNi:全てのバンドのNoise Indexの和(noy)

全体の音のうるささは、各バンドの音のうるささの和でなく、各バンドの中の最大の音のうるささと残りの音のうるささの和の30%を加えてものになります。

3. このNtに相当するレベルを、知覚騒音レベル(Perceived Noise Level)(単位:PNdB)と呼びます。Ntは、次式により求められます。

 

daum_equation_1451053566212

これは、前項で、St(Loudness index)から、Loudness Levelを求めたものと同じ式になります。

また、PNdBとnoyとの関係は、phonとsoneとの関係と同じく、図3.3.2において、横軸を PNdB、縦軸を noy と置き換えることにより、両者の関係が得られます。

daum_equation_1451053709448

 

引用元:ターボ機械 1974/3