3.5 聴感補正特性

3.5 聴感補正特性

音の大きさのレベルや知覚騒音レベルを求めるためには、騒音を周波数分析してオクターブバンドレベルでの音の大きさから計算する必要があります。これをもっと簡単の求めるようになれば便利になります。これが聴感補正というものです。

純音の等ラウドネス曲線(図3.3.1)や、複合音の等ラウドネス曲線(図3.4.1)、等ノイズネス曲線(図3.5.1)を見ればわかるように、騒音の物理量である音圧レベルを周波数バンドごとに感覚量に対応させることは、音圧レベルに重みづけを付けることになります。
例えば、純音の等ラウドネス曲線(図3.3.1)で、40phonと感じる音が、周波数によって音圧レベルが変化するような重みづけによって、簡単にこのようなレベルの大体の値を求めることができます。

騒音スペクトルに対する、重みの周波数特性を、聴感補正特性といいます。現在使われているものとして、A特性及び、C特性があります。A特性は、図3.3.1の等ラウドネス曲線で40phonの曲線に相当するもので、A特性で測定したときを、特に騒音レベルLA(dB)といい、感覚量に近似します。C特性で測定した場合は、物理量である音圧レベルを近似します。
なお、現在の騒音計には、A特性とC特性、それに加えてより平坦な周波数特性を持つZ(または、FLAT)特性が装備されています(図3.5.1)。特に騒音レベルの測定では常にA特性を使って測定を行ないます。

周波数重みづけ

 

引用元:ターボ機械 1974/3