2. 撹拌翼の種類と適用範囲

2. 撹拌翼の種類と適用範囲(types of stirring blades and applicable range

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撹拌翼の形状は、取扱流体の粘度により適用される形状が色々あります。

 

2.1 低粘度流体に適合する撹拌翼

低粘度流体(0.001~0.1 Pa・s のオーダ)を撹拌する場合は、流れは乱流状態になります。使用する撹拌翼は比較的小型になります。

低粘度流体の撹拌翼でよく用いられるものは、タービン翼(turbine impeller)、プロペラ翼(propeller)、パドル翼(paddle)、傾斜パドル翼などがあります(図10.1.2.1)。

タービン翼は、翼径と槽径との比は通常0.3~0.5の範囲で設計されます。翼の先端速度は8m/s以下の場合が多いです。気液系や液液系の撹拌に使用される場合が多いです。

プロペラ翼は、翼径と槽径との比は通常0.2~0.4の範囲で設計されます。翼の先端速度は10~16m/sの範囲で使用されることが多いです。

パドル翼は、翼径と槽径との比は通常0.5~0.9の範囲で設計されます。翼の先端速度は3m/s以下の場合が多いです。パドル翼の場合は、ある程度高粘度の駅まで適用されます。

図10.1.2.1 低粘度流体に適合する撹拌翼   新潟大学晶析工学研究室 固液撹拌講義資料

 

2.2 高粘度流体に適合する撹拌翼

高粘度流体(1~100 Pa・s のオーダ)を撹拌する場合は、流れは層流状態になることが多くなります。流体の動きが翼の近傍に限られてしまうので、撹拌翼の大きさが、槽全体の流体を撹拌できるようにするために、大形の翼形状が用いられます。また、槽の側壁からの熱移動を促進するために翼の外径と槽の側壁との隙間はできるだけ小さくなるように設計されます。

粘度範囲に幅があるためその年度に応じて、適用が推奨される翼形状があります。粘度の評価は撹拌レイノルズ数によります。

高粘度流体用の汎用的な撹拌翼形状は、ヘリカルリボン翼(helical ribbon impeller)、アンカー翼、スクリュー翼、ゲート翼があります(図10.1.2.2)。

図10.1.2.2 低粘度流体に適合する撹拌翼   新潟大学晶析工学研究室 固液撹拌講義資料他

 

2.3 広範囲の粘度範囲に適合する撹拌合装置

混合・撹拌操作の対象となる流体には、時間経過とともに重合などの化学反応で粘度が大きく変化するものがあります。この場合は、どんな粘度の流体に対しても混合・撹拌操作が行える撹拌翼が要求されます。

全ての要求を満足するものはなかなかありませんが、一例を図10.1.1.4 に示します。

図10.1.2.3 広範囲の粘度範囲に適合する撹拌翼   化学レビューアー

 

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引用文献
機械工学便覧 6th ed  ɤ1-02章   日本機械学会
化学工学_改定第3版   豊田豊  朝倉書店

 

引用図表
図10.1.2.1 低粘度流体に適合する撹拌翼   参考:新潟大学晶析工学研究室 固液撹拌講義資料
図10.1.2.1 低粘度流体に適合する撹拌翼   参考:新潟大学晶析工学研究室 固液撹拌講義資料
図10.1.2.3 広範囲の粘度範囲に適合する撹拌翼   参考:化学レビューアー

 

ORG:2021/06/01