4.5 腐食摩耗(化学摩耗)(Corrosive wear)

4.5 腐食摩耗(化学摩耗)(Corrosive wear)

スポンサーリンク

 

摺動面に酸化膜などの耐食性の皮膜が形成されていない場合は、酸やアルカリなどの腐食性物質、摺動部の材料に対して潤滑油が劣化して酸を生成したり、潤滑油中の極圧添加剤等の物質により金属摺動面の表面が腐食されます。

腐食により生成された物質は、一般には表面への吸着力が弱く、摺動により表面から脱落しやすいです。摺動により材料同士が凝縮とせん断を繰り返して、絶えず新しい表面が現れて腐食が進行します。摺動面は大きな歪を持っているため、摺動面以外の金属面と比較して活性が高く腐食を受けやすくなっています。

このプロセスの繰り返しにより、凝着摩耗や腐食が単独で作用する場合と比較して、摩耗量が大きくなります(図4.5.1)。

図4.5.1 腐食摩耗と腐食・摩耗との比較

 

 

 

 

 

参考文献
トライボロジー入門   岡本純三 他   幸書房
摩耗はなぜ起こるのか  水本宗男,宇佐美賢一  ターボ機械Vol24,No5 1996

 

引用図表
図4.5.1 腐食摩耗と腐食・摩耗との比較  トライボロジー入門

 

ORG:2018/11/8