アイデア創出法

アイデア創出法(idea generation methods)
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Contents
1. 創造的な問題解決を目指すための「問題意識」と「創造性」
1.1 「問題」とは
(1)問題とは何か
我々は、毎日様々な問題に直面します。「面粗度が粗い」や、「サプライヤからの納入が遅い」など、仕事の問題や、「QC検定の学習時間が取れない」など、プライベートな問題まで、毎日が新たな問題との出会いの日々といえます。
アメリカの著名な経営学者ケプナーとトリゴーは、著作になかで「問題とは、期待された業績基準からの逸脱」と定義づけしているそうです。要約すれば、「問題とは、期待と現状との差」といえます。
従って、問題解決とは、「現状」を「期待」に変えることです。「期待」には、「目標」と「願望」とがあります。「目標」とは問題解決のゴールが明確になっているものであり、「願望」は不明確な場合をいいます。
(2)問題には、「唯一解答」と「多数解答」とがあります。
アメリカの認知科学者のミンスキー博士は、問題は、「明確に規定されている問題」 と、「明確に規定されていない問題」とに分類されるとしています。
例えば、学校の定期考査や資格試験の問題は、解答は唯一の場合が多く、「明確に規定されている問題」といえます。一方、我々が職場や家庭で直面する問題の多くは、後者の「明確に規定されていない問題」です。
つまり、「問題には、唯一解答のものと多数解答のものとがある」 といえます。
ルーチンワークの仕事は、マニュアル通りどのようにするかが大切になります。「ビデオカメラが、録画できない」ことの原因がメモリカードの容量不足であれば、インターネットで調べたり、マニュアルを読めば解決できる、「唯一解答」です。
一方、「ビジネスでのビデオの有効利用法」ならば、例えば、「組立工程の標準作業を改訂する」や、「作業のムダな動きを削減する」など、その回答はいろいろあるので、「多数解答」の問題になります。
本研修の目的は、QCサークル活動を進める上で、アイデアをどのように導き、問題解決につなげるための、アイデア創出法について共有することですので、取り上げる問題は「多数解答」の問題になります。
図1 問題とは(ケプナーとトリゴーの定義)
図2 問題は「唯一解答」と「多数解答」の2種類に分類される
1.2 問題解決のためには「問題意識」が不可欠
誰にでも1日は24時間あります。それと同じで、誰もが創造型人間になれる可能性があります。 創造型人聞に欠かせない第一の資質は、「問題意識」です。
(1)「問題意識」でノーベル賞
2012年、山中伸弥教授は、iPS細胞の作成でノーベル賞を受賞されました。ES細胞による研究の倫理性を意識され、一般の細胞からいろいろな細胞に変化することができる分化万能性を4つの遺伝子で確保できることを発見された功績によるものです。
この発見は、ES細胞を用いないで、分化万能性を持った細胞を作って、医学の進歩に寄与したいという、強い「問題意識」を持って、粘り強く研究されたからこその発見です。このような研究は同時に多くの研究者がされていたといわれていますが、課題に対する着眼点の差異により、ユニークな発見へいち早く到達できたのではと考えられます。
何れにしても、問題解決のヒントを見つけるためには、「問題意識」が欠かせません。
(2)固定観念を打ち破れ
問題発見のためには、「問題意識を明確にもつ」と同時に、「固定観念の打破」が大切です。固定観念を無くせば、例えば油性マーカーを非常時のローソク代わりにしたり、ステープラーを画びょう代わりにして、壁に紙を貼り付けることができることに気付きます。
人に対して固定観念で見てしまう例も、多く見受けられます。私たちはつい、あの人は弁護士、あの人は警察官、とその人の人柄より職業に対してレッテルをはってしまいがちです。固定観念にとらわれると、物事の真実を見誤ってしまう恐れがあります。
問題解決にとって、この固定観念はジャマものです。 何より「固定観念を打ち破って,常に予断を持たずものを見る」という姿勢を忘れてはなりません。
表3 強い問題意識から新たに発見した人
表4 固定観念を無くして見つけた身近な商品の別の使い道
1.3 問題解決のためには「創造性」が不可欠
(1)「創造性」 とは「新しい価値を生み出すこと」
創造性開発研究所所長の高橋誠氏によれば、「『創造』とは、問題を把握し、異質な情報群を組み合わせて統合し、解決し、社会や個人レベルで、新しい価値を生み出すこと」と定義されています。
この定義のポイントは 3つです。一つ目は、「創造は情報が元になる」ということです。ここでいう情報とは、自分自身の知識や経験(内部情報)と、書物や自ら見聞した現象(外部情報)などです、二つ目は、ごれらの「情報を組み合わせて統合する」ことです。三つめは、「社会や個人レベルで新しい価値を生み出す」ことです。
このことから、創造的な問題解決とは、 「問題意識を明確にもち」、「情報を収集・分析し」、組合わせて、「新しい価値を生み出すこと」だといえます。
(2)「創造性」は、「全人格的なもの」
「創造性」は、「創造力(創造的能力)」 と「創造的人格」を含みます。
まず「創造力」は、知能と対置する能力です. その違いを一言でいえば、知能テストの答は1つですが、創造カテストの答は多数です。
そして「創造性」には、性格,態度といった「全人格的なもの」も含まれます。創造力があってもそれを実現できる人間力がなければ、創造性があるとはいえません。問題発見力、問題解決力などの「創造力」に加え、課題の解決に向けて粘り強く挑戦する態度などの「創造的人格」 が欠かせません。
2. 創造的な問題解決に必要なもの
2.1 創造的問題解決のための個人発想・集団発想
問題解決をするには、個人でも集団でも、基本の「手順」があります。
そして、個人発想では「発想」に重点が置かれますが、集団発想では「問題解決の流れ」が中心になります。本項では、個人発想では「ワラスの4段階説」を、集団発想では「高橋式の 5段階説」を紹介します。
(1)「ワラスの4段階説」で個人発想の解決手順を考える。
個人の発想、手順で最も有名なのは「ワラスの4段階説(Wallas’ 4stages theory)」です。以下の 4段階を踏んで発想するというものです。
■ 1段階「準備」:その問題についての色々な情報を集め、多角的に分析し、「課題を徹底して考える」 という発想のための準備段階です。「熟考」ともいいます。
■ 2段階「あたため」:徹底して考えたら、あせって短絡的な解決策で妥協してはいけません。卵を温めるように、考えがジックリ熟成するのを「あたためて」 待て、という段階です。
■ 3段階「ひらめき」:考えをあたためた後、あるとき突然、問題と、脳の記憶の奥にある一見関係ない情報や外部の情報とがパッと結び付く「ひらめき」の瞬間が訪れます。
アルキメデスは、国王から「金の王冠が純金かどうか調べよ」と命じられ、その調べ方を色々考えていたのですが、なかなか良いアイデアが浮かばず困っていたときに、公衆浴場であの有名なアルキメデスの原理と呼ばれる、「物体を液体の中に入れると、その物体が排除した液体の重さだけ軽くなる」を発見した(ひらめいた)のです。
■ 4段階「検証」:最後に、ひらめいたアイデアが実現できるかどうか、「検証」します。
この4段階でポイントになるのは「あたため」です。「ひらめき」は多くの場合、 考えたらすぐ出るということはありません。「あたためる」または、無意識の中で考えさせることが重要です。
(2)「高橋式」集団発想での創造的問題解決の手順
先程も記述しましたが、高橋先生は日本の創造学を長く先導された方です。彼が提唱する「集団発想での創造的問題解決の5手順」について引用します。
■ 第1ステップ「問題設定」:例えば、「コミュニケーションが悪い」 という漠然としたテーマは、良い問題設定とはいえません。「他部門と情報交換がない」、「重要な情報が上に伝わらない」など、具体的なテーマに絞り込むべきです。
■ 第2ステップ「問題把握」:問題に関連するあらゆる事実を洗い出し、徹底分析します。しっかりと問題の核心をとらえることが大切です。
■ 第3ステップ「課題設定」:問題の核心をとらえたら、解決課題を決め、到達ゴールと評価基準を含んだ、解決すべき目標を明確にします。
■第4ステップ「課題解決」:解決に有効なアイデアを発想し、それらを評価し、実践化するステップです。まず構想計画を立て、続いて個別の具体的な計画をまとめ、実行の手順計画を考えて、実践的な解決策にします。
■第5ステップ「総合評価」:解決策の実現性や独自性について総合的に評価・判断します。
集団発想では、全員が今どの手順かをしっかり把握することが大切です。
表5 問題解決の手順例
2.2 創造思考は、「発散思考」と「収束思考」とに分けられる
(1)アメリカの思考心理学者ギルフォードの頭脳モデル
手順の次は「思考」について考えましょう。 問題解決思考をするのは、もちろん脳です。
アメリカの著名な心理学者である、J.P.ギルフォードは、また,創造性の重要性を強く主張しました。彼は「人間の頭脳は、各種情報の『内容』を用い、それらを『操作』して、何らかの『所産』を産む『情報の収集処理器官』である」と規定し、頭脳モデルを用いて、世界で最も普及した知能テストを作成したり、創造性テストを考案しました。
頭脳モデルの「内容」には、視覚的、聴覚的、行動的なものなどが含まれます。これらの情報内容を「操作」した結果、「所産」つまりプロダクツが生まれます。例えば、情報と情報との関係から単位、類、体系などや、情報を他の情報に変換して新たなものを生み出したりします。
図6 ギルフォードの頭脳モデル
(2)「思考」は認知・記憶・発散・収束・評価に分かれる
ギルフォードのいう「操作」とは「頭脳の働き」、つまり「人間の思考」を指します。
人は感覚器官を活用して、 見たり、聞いたり、触ったりして、ものを「認知」し、そしてそれらを脳に「記憶」する「情報収集」を行います。
次に、それらの記憶などを利用して、「情報処理」を行います。ここでいう情報処理とは、まず課題を「発散的思考」で考え、それが問題解決に適するかどうかについて「収束的思考」と「評価」の「収束思考」を行うことです。
問題解決のあらゆる段階で「発散」と「収束」の2つの思考が用いられます。問題把握では問題の事実や原因を、課題解決ではアイデアを出す「発散思考」を行い、そして各段階でそれらをまとめる「収束思考」を行います。
図7 ギルフォードの思考(操作)モデル
2.3 創造思考は、「発散思考」と「収束思考」とを使い分ける
(1)創造思考のときは「発散思考」 と「収束思考」を分けて使う
「発散思考」 は、試行錯誤的な思考が行われるときに使われ、多様な事実やアイデアを出す(発散する)ための拡大的な思考です。一方「収束思考」は、重要な原因を絞り込み、解決策をまとめていく(収束する)集中的な思考です。
2つの思考はこのように性格が違うのに、私たちが思考するときは問題を早く処理したいため、この2つの思考法を一緒に使いがちです。しかし、創造思考をするときは、この2つの思考法を、「発散のときは発散だけ、収束のときは収束だけ」と明確に使い分けることが不可欠です。
例えば、宴会の企画を立てるとします。まず、「会場はいつもの飲み屋」と考えます。すると「それではありふれている」、「他にないか」とすぐ評価し、まとめようとします。私は、こんな思考方式を「火縄銃思考」と呼んでいます(図8 )。火縄銃のように 1回1回弾を込めて、あたりを調べるやり方だからです。しかし、これでは効率が悪すぎて、精神的にもよくありません。
(2)発散思考は「5つのルール」を守って出し尽くせ
発散思考のときは、マシンガンのように思いつきをドンドン出す「マシンガン思考」をして、評価は後回しにします(図9 )。そうすれば宴会を「屋形船で」、「公園で」など面白いアイデアが続々出るでしょう。発想のときは発想に徹するべきです。
高橋先生は、「発散思考の5つのルール」として、
①判断延期
②自由奔放
③大量発想
④広角発想
⑤結合発展
をあげています.
これら、5つのルールを使って発想すると、これを使わないときより発想の量も質も約30%高まるという調査結果もあるそうです。発散思考のときは,ぜひこの5つのルールを使ってみてください。
図8 火縄銃思考からマシンガン思考へ
図9 発散思考の5つのルール
2.4 創造技法の分類
ギルフォードによる創造技法の分類は、「発散技法」と「収束技法」との2分類ですが、高橋先生は、さらに「統合技法」、「態度技法」を付け加えて4分類にしています。このテキストでも、種本を書かれた先生に従って、4種類に創造技法を分類します。
具体的には
①発散技法:発散思考を用いて事実やアイデアを出す技法
②収束技法:発散思考で出た事実やアイデアをまとめる技法
③統合技法:発散と収束とを繰り返していく技法
④態度技法:問題解決そのものに焦点をあてるのではなく、主に創造的態度を身に付けるための技法
表10 に、創造技法の4分類と代表的な技法とを示しています。
表10 創造技法の4分類
3. 発散技法:データやアイデアを出す
3.1 ブレインストーミング法
(1)「ブレインストーミング」とはどのような技法か
ブレインストーミングとは、アメリカの広告代理店で副社長を務めていたアレックス‧F‧オズボーン氏が1939年に考案した発想法です。「集団発想法」とも呼ばれていて、参加者全員が自由な意見を出し合い、独創的なアイデアを生み出すことを目的としています。自由なアイデアを組み合わせることで、独創的で、面白いアイデアを生み出すことができます。発想技法の原点ともいうべきものです。
例えば、サービスや機能、商品開発、商品の改善案などに関して新しいアイデアを必要としているときには、ブレインストーミングがおすすめです。
(2)ブレインストーミング法の4原則
ブレインストーミングをする際は、「ブレインストーミングの4原則」を守りましょう。
① 結論を出さない。
ブレインストーミングは基本的に、アイデアを出したり新たな考え方を生み出す場ですから、必ずしも与えられたテーマに対して結論を出す必要はありません。
② 自由奔放
発⾔する内容は型にはまったことや、ルールにのっとったことよりも、奇抜なことやユニークなこと、一見不可能と思われるアイデアでも構いません。とにかく何でもよいので、新しいアイデアを⽣み出すきっかけを作りましょう。
③ 質より量
新しいアイデアをたくさん出すことは、様々な角度からの意見を取り入れるために必要です。
④ 結合、便乗、連想
誰かが出したアイデアに便乗して、新たなアイデアに生まれ変わらせたり、そこからさらに新しいアイデアを導き出すことを大いにお勧めします。
要するに、ブレインストーミングでは、⼀つのテーマから多くのアイデアを生み、それを発展させて広げていくことが大切なのです。
(3)「ブレインストーミング法」の進め方
【事前準備する機材】
・ホワイトボードもしくは模造紙の様な大きな紙
・ポスト・イット
【事前準備】
① メンバーの数はあまり多過ぎないように
ブレインストーミングは、活発な議論が何より欠かせません。そのため、あまり大人数で行うことはお勧めしません。なぜなら、⼈数が多ければ多いほど、発言する機会が減り、何も話せない人が出てきやすくなるからです。
多くとも10人は超えないようにし、できれば5~7名で行うのが無難です。
② ファシリテーターを決める。
メンバーの中で進行役となるファシリテーターを決めます。タイムキーパーは必要ありませんが、話があまりに突飛な方向に行ってしまった場合や、雑談に入った場合は、ファシリテーターがその場を管理する必要があります。もちろん、ファシリテーターも議論に参加しましょう。
また、事前にテーマで発想すべき分野を多角的に洗い出して、本番でいろいろな角度からアイデアが出るように準備します。
③ 制限時間を決める。
制限時間のあると、テーマに対する意識の集中を促し、内容の濃い議論が実現できます。アイデアを生み出す時間とアイデアをまとめ上げる時間の、2つの制限時間を設定し、メリハリと緊張感のある中身の濃い議論を展開しましょう。30~40分程度が理想です。長くても1時間程度で終わりましょう。それ以上長くなる場合は、休憩をはさみましょう。
【発想本番】
① 「批判・評価をしない」ことを徹底する。
開始前に、「批判や評価をしない」というルールを確認しましょう。批判や評価がされると発言がしづらくなってしまいますので、開始前にこのルールを参加者全員に伝えてください。開始後に批判的な言葉がある場合には、注意するように促しましょう。
② テーマを紹介する。
今回話し合うテーマを紹介します。そしてテーマは、ホワイトボード(もしくは大きな紙)の中央もしくはヘッドに書いておくとよいでしょう。そうすることによって常にテーマを意識することができます。
また、テーマはできるだけ具体的なものにしましょう。ある工場で、「現場の事故を減らす」をテーマにしたら、有効なアイデアはほとんど出なかったので、「ヘルメットを全員にかぶらせる」とすると、良いアイデアが多く出たそうです。
③ アイデアをどんどん出していく。
出されたアイデアはホワイトボードに書いていくか、それぞれをポスト・イットに書きこんでいきましょう。
④ アイデアのまとめ
4章に示す、収束技法や、ここでは紹介しませんが、新QC7つ道具の親和図法(KJ法)、マインドマップなどを用いて、アイデアをまとめていきましょう。
(4)「ブレインストーミング法」の活用法
「ブレインストーミング法」は、ひとつのテーマに対してあらゆる視点から考え、人のアイデアに便乗して付け足したりして、出来るだけたくさんな無秩序なアイデアをだすのが目的です。
まずは、あまり難しいことを考えずに、トライしてみてください。
図11ブレインストーミング
3.2 カードBS法
(1)「カードBS法」とはどのような技法か
発散技法の基本はブレインストーミング法ですが、「発言が特定の人に偏る」、「ワイワイ、ガヤガヤと進行するため,各自がじっくり考えることができない」、「発想を後でまとめるときに転記しなくてはならない」などの欠点があります。
これらの欠点を解消するため、高橋先生が考案した技法が、「カードBS法」です、「カードBS法」は、発想を沈黙して行い、全員が平等に発想できるように、 各自がカードにアイデアを直接書くやり方を取ります。
(2)「カードBS法」の進め方
「カードBS法」では、必ず「発散思考の5つのルール」(図9)を使います。
【事前準備する機材】
・アイデア記入用カード多数:25mm × 75mm のポスト・イットが最適
・A4用紙:参加メンバー分
・A3用紙:数枚(模造紙でも良い)
・タイマー:キッチンタイマーなど
【事前準備】
① テーマについて確認する。
リーダーが、メンバー全員にテーマについて説明します。
② 全員がカードとA4用紙1枚をもって着席する。
・メンバーの人数は6名程度で、机を並べて全員でグルリと囲みます。
・各人に50枚のアイデア記入用カードと、A4用紙を1枚配布します。
・机の真ん中には、A3用紙を3-4枚並べます。模造紙でもよろしいです。
・リーダーは、進行係、時間係、そして発想メンパーを兼ねます。
・発想時間は、30~60分が最適です。
【発想本番】
① 個人発想タイム:最初の5分間
各自は黙って、1枚のカードに1つのアイデアを記入し、それを手元のA4用紙に貼ります。
リーダーはタイマーを用意し、5分にセットします。
5分経ったら、全員によるカードに記入したアイデアの順番発表タイムになります。
② 順番発表タイム(追加カードの記入)
1人がまず自分が記入したカードを1枚読みあげ、机上のA3用紙に貼ります。
次に、その左側の人も同様に自分が記入したカードを1枚読んで、A3用紙に貼ります。
(他のメンバーは、他の人の発表を聞きながら、思いついたアイデアを自分のカードに書いて、A4用紙に貼る。他の人が、自分の書いたアイデアと同じことを発表したら、自分の手持ちカードは捨てる。)
③ 再・個人発想タイム:5分間
発表で、パスが2人以上出たら個人発想タイムに戻り、各自5分開発想します。
④ 再・順番発表タイム
各自の再発想の後、再び全員で順番にアイデアを発表し、机上のA3用紙に発表したカードを貼ります。
⑤ 以下、時間まで「個人発想」と「順番発表」とを繰り返します。
⑥ 終了時聞がきたら、記入済みカードをすべてA3用紙に貼る。
終了時間になったら、手元にあるカードはすべて読み上げて、机上に出しA3用紙に貼り付けます。
(3)「カードBS法」の活用法
「カードBS法」は、出されたアイデアがすべてカードに記入されているので、すぐにまとめに入れます。
この技法は. 職場で発生するいろいろな問題を解決するのに、簡単に活用でき、ちょっとアイデアを出すか」と思ったとき、数人で集まってミーティングのようにできるので、お手軽に使えます。
図12 カードBS法の進め方
3.3 カードBW法
(1)「カードBW法」とはどのような技法か
ドイツ生まれの発想技法で「ブレインライティング法(BW法)」があります。しかし、この技法は、後で収束するときに、アイデアを書いたシートをハサミで切り離す必要があるなど面倒でした。そこで高橋先生が、ポスト・イットを用いれば、後の作業が簡単になるということで、「カードBW法」を考案しました。
(2)「カードBW法」の進め方
【事前準備する機材】
・アイデア記入用カード:18枚 × 参加メンバー人数(25mm × 75mm のポスト・イットが最適)
・A4用紙:参加メンバー人数分
・タイマー:キッチンタイマーなど
【事前準備】
① 全員でテーマを設定する。
② 各自が「カードBW法シート」を作成する。
メンパーの人数は6名程度にし、各人に、A4用紙と18枚のカード を渡します。
各自は図13 のように、A4用紙を横にして、ポスト・イットを横に 3枚ずつ,縦に6列、計 18枚貼ります.
【発想本番】
① 第1回の発想タイム(3分で3アイデア)
高橋先生によれば、3分くらいで3アイデアを出すのがよいとのことです。最初の3分で、各メンバーは1列目のカードに左から右へと3つのアイデアを記入します。
② 第2回の発想タイム(1列目とは異なるアイデアを記入)
3分経過したら、リーダーの指示で、各メンバーは自分のシートを左隣の人に渡します。そして次の3分間で、各メンバーは右隣から渡されたシートの横2列目のカードに左から右へと、1列目に書かれた内容を発展させたアイデアや自分独自のアイデアを、3つ記入します。
③ 第3回以降の発想タイム(3回以降は2回目と同様)
2回目と同様に、3分経ったら、右隣から回されたシートの横3列目のカードに3つのアイデアを書きます。
以下、第4~6回まで繰り返すと、各自3案 × 6列 × 6人 = 108アイデアが、30分間で得ることができます。
(3)「カードBW法」の活用法
「カードBW法」は、とても簡単に活用できる発想法です。
図13カードBW法の進め方
3.4 チェックリスト法
(1)「チェックリスト法」とはどのような技法か
「チェックリスト」というのは、あることを考えるときに抜け落ちがないように、1つずつチェックしていくための一覧表のことを指します。海外旅行の準備品のチェックリストなどは、その代表的なものです。あなたも海外に出かける前に、時計は、サイフは、 パスポートは、など
と頭で考える代わりに、チェックリストを使って抜け落ちがないように準備したことがあるでしょう。
このように一般的に使われるチェックリストは、ミスを起こさないために用いられる「消極的」なタイプのものが多いです。しかし、発想時に新しい視点を探すために使う「積極的」なチェックリストがあります。
発想の「チェックリスト法」とはこの積極タイプのもので、発想するときに抜ける観点がないようにと考えられたものです。
(2)オズボーンの「9チェックリスト法」で発想
発想の「チェックリスト法」で最も有名でよく利用されているのは、ブレインストーミング法の考案者オズボーンのチェックリスト法です。元々は項目が多かったのですが、ギフトカードに印刷されるときに短くされて、「9チェックリスト法」になりました(表14 )。
このチェックリスト法は、課題を「何か他を『応用』してアイデアが考えられないか」とか、「どこかで『変更』することはできないか」などと、強制的に結び付けて発想するときに使います。
古い例ですが、表14 の「マッチ」を例にとると、「応用」からは「はし立てを応用して円筒形マッチ」が、「変更」からは「四角形を変更して丸・三角形マッチ」が出ました。
(3)「9チェックリスト法」の活用法
オズボーンの 「9チェックリスト法」は、特にハードの発想をするときに適しています。一方、ソフトの課題に適したものもあります。
しかし、発想のチェックリストは、最終的には自分に最も合ったものを自ら考案するべきでしょう。そのためには、自分自身が発想するときに用いる考え方を、いろいろ洗い出し、他の人の考え方も活かして、自己流の発想のチェックリストを作るといいでしょう。
従って、チェックリスト法の活用としては、まずオズボーンのものなど既存のものを集め、それらに自分のテーマに則してチェック項目を追加したリストで発想するといいでしょう。
ただし、利用するチェックリスト法がどんな用途に向いているかを調べておくことが大切です。
表14 オズボーンの9チェックリストとマッチの例
3.5 NM法
(1)「NM法」とはどのような技法か
「NM法」は、創造工学研究所所長の故中山正和氏が考案し、技法の名称として、中山氏の名前の頭文字のアルファベット”NM”をとってつけられました。
この技法は、類比発想法の日本の代表的な技法です。最大の特徴は、手順が明確で、初めての人にも簡単に類比の考え方がわかり、手軽に活用できる点です。「NM法」は類比発想を用いることで、発想が飛躍できるため、ユニークな解決策を考えるのに有効です。
(2)「NM法」の具体例
具体的な例で「NM法」の進め方を解説します(図15 )。
① 課題を設定する。
できるだけ具体的で、切実な課題にします。例では、「目立たない灰皿」を取り上げます。
② キーワードを決める(KW:Key Word)。
キーワードとは課題の本質を表すもので、品物の場合なら基本的には機能になります。
この場合、本質的な機能だけでなく、付加的な、あるいは希望する機能でもよいのです。
灰皿なら「捨てる」、「置く」、「貯める」、「隠す」などがあげられます。
③ 類比を探し出す(QA:Question Anakogy)。
キーワードから「例えば … のように」と、類比の実例を探します。「貯める」では「玄関の傘立て」、「隠す」では「忍者屋敷の回転扉」 が出ました。
④ 類比の背景をさぐる(QB:Question Background)。
「そこでは何が起きているか」という類比の背景をさぐります。この例の「玄関の傘立て」では「靴置きと兼用したものがある」、「忍者屋敷の回転扉」では「壁が回転して中に人が入る」などとなりました。
⑤ アイデアを発想する(QC:Questionj Conception)。
頭の中でヒントの類比イメージを広げ、強引に課題と結び付けて発想します。この例では「壁が回転して中に人が入る」から「灰皿の上にフタをして見えなくする」 と、「回転して隠れる仕組みを考える」の 2つのアイデアが出ました。
⑤ 解決策にまとめる。
最終案は. QCカードから使えるアイデアを探し出して具体策を考えます。この例では「鉛筆立てと兼用の灰皿」と「回転して隠れる仕組み …」、「他の品と組み合わせ …」を用い、「煙筆箱」という製品にまとまりました。
(3)「NM法」の活用法
「NM法」は手順が明確で大変使いやすい技法なので、慣れれば手順どおりに行わなくても、自然に類比発想をすることが可能になります。
基本的には製品開発などに用いられますが,ソフト面の課題に対しても十分活用できます。
例えば「創立記念のパーティ企画」ならキーワードを「集う」、「奇抜」、「厳粛」などにして考えます。
図15 NM法の進め方
4. 収束技法:データやアイデアをまとめる
4.1 ブロック法
(1)「ブロック法」とはどのような技法か
現代は、大量のデータを短時間で処理することが求められます。例えば、新しい製品のネーミングをするときなどは大量に、時には1000を超えるアイデアを出すことも珍しくありません。
このような,発散技法で出した大量データを、短時間で素早くまとめるために、高橋先生が考案されたのが「ブロック法」です。「ブロック法」とは,データ群を大つかみの「区画(ブロック)」にまとめるという意味から名づけられました。
(2)「ブロック法」の進め方
① 司会者を決め、メンバーは4~6名程度とする。
② 各自アイデアを発想する。
「カードBS法」や「カードBW法」などを用いて、各メンバーがカードにアイデアを書きます。
③ 記入された全員のカードを集めて、各人に均等に配分する。
④ 各メンバーの手持ちカードを、内容が似たもの同士で群にまとめる(B4用紙に貼り付ける)。
⑤ A3用紙を4~5枚、机上に並べる。
⑥ 各メンバーが、順番にカード群(B4用紙に貼り付けたもの)を1群ずつ出して、机上のA3用紙に貼り付ける。
司会者の右隣の人から順番に、手持ちの全カードの中から1つの群を読み上げて、机上のA3用紙に貼っていきます。
⑦ 全員でカード群を1つの項目にまとめる。
他のメンバーは、そのカード群と同一内容のカードが自分の手元にあれば、読み上げて真ん中に出し、A3用紙にまとめて貼ります。
⑧ まとまったカード詳に、項目名をつける。
そのカード群を出した人が中心になり、カード群の項目名を考えて、別の色のカードに書いて、カード群の上に貼り付けます。
⑨ 次の人も、手持ちのカード群を読み上げて、A3用紙に貼り付ける。
⑩ 以下、同様にすべてのカードが、まとまるまで続ける。
⑪ すべてのカードを A3 用紙に整理して貼る。
なお、カード群のカードは、1項目につき10枚以内にします。また「その他」の項目も作り、それまでまとめきれなかったカードを「その他」の群に入れます。
(3)「ブロック法」の活用法
「ブロック法」を使えば、 800個程度のデータでも、慣れれば4~6人のメンバーで、30分もあればまとまってしまいます。この「ブロック法」は、ネーミング開発ばかりでなく、商品開発のアイデアをまとめるときにもよく使います。また、 アンケート調査で大勢の人の自由回答をまとめるのにも利用できます。
このように大量のアイデアを即座にまとめるとき「ブロック法」は最適です。
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図16 ブロック法の例
4.2 クロス法
(1)「クロス法」とはどのような技法か
「クロス法j は、アメリカの経営コンサルタントのカール・グレゴリーの「セブン・クロス・セブン法(7 × 7法)」 を元に、高橋先生がより簡便化したものとして提案されました。
「7 × 7法」とは、縦7、横7 で仕切られたラック・ボードを用意し、アイデアビット(IB)スリップという名称の名刺サイズのカードにアイデアを書き、重要度の高い順で評価する技法です。アイデアをまとめると同時に、評価までしてしまう便利な技法ですが、使い勝手の面で難点がありました。
そこで、高橋先生はカードの代わりにポスト・イットを用い、ラック・ボードの代わりにA4サイズのクロス法シートを使う、「クロス法」を考えました。これなら、すぐにコピーが可能です。また、縦と横も “7” にこだわらないことにしました。
(2)「クロス法」の進め方
① データを発想する。
「カードBS法」などで、具体的にデータやアイデアを発想し、カード(25mm ×75mm のポスト・イット)に記入します。
② カードを広げる。
発想したカードを、A3用紙に貼りつけ、全カードをよく読みます。
③ カードを項目に分類する。
内容が似たカードごとにグループにまとめます。1グループはカード10枚以内にし、どのグループにも属さないカードは「その他」の項目に入れます。
④ 項目名を決定する。
カード群ごとに内容を表現する項目名を別の色のカードに書き、上に貼り付けます。
⑤ シートを準備する。
A4サイズのクロス法シートを用意して、机上に4~5枚並べます。
⑥ 項目順位を決定する。
各カード群の順位を重要度の順に決め、シートに項目名のカードを貼ります。
⑦ 内部順位を決定する。
各項目(グループ)内の各カードを重要度の順にして、シートに上から下へと貼り付けます。6位以下は捨てます。
⑧ 図解を完成する。
全クロス法シート上にテーマ名とシートNo.と項目No. を書き、終了します。
つまり、上位にあり左側に寄っているカードほど重要なデータになります。
(3)「クロス法」の活用法
図17 は、課題解決用の例ですが、「クロス法」は事実データをもとに、重要データを分析し判断する「問題把握ステップ」でも使えます。
「クロス法」は、まとめながら評価もしてしまうという、大変便利な方法なので、ぜひゲーム感覚で実践してみてください。
図17 クロス法の例
4.3 ストーリー法
(1) 「ストーリー法」とはどのような技法か
「ストーリー法」は、イベント計画の立案や、講演内容や文章のまとめを、気楽に、手軽にできる方法はないかと考えた、高橋先生が創案した技法です。「ストーリ一法」は、流れ(ストーリー)でまとめるため、収束技法の系列型の技法といえます。
(2) 「ストーリー法」の進め方
① データやアイデアをカードに記入する。
図18 を例にすると、「新人を職場に慣れさせる」アイデアを思いつくままに、1カード(ポスト・イット)に1アイデアの原則で書き、A3用紙に貼ります。
② カードを展開するレイアウト用紙を準備する。
カードが貼られたA3用紙を左側に置き、その右側にB4サイズのレイアウト用紙を縦長にして置きます。用紙は縦に3つ折りし、上部に「主行動」、「内容や事例」、「補足や詳細」と鉛筆で記入します。
③ カードをB4用紙にレイアウ卜する。
全カードを見て、主な行動の流れを示すカードをレイアウト用紙の左側の「主行動」の欄に、上から下へと置いていきます。次に、各行動の主な内容や具体例が書かれたカードは真ん中の「内容や事例」の欄に、内容の補足や詳細を説明するカードは右側の「補足や詳細」の欄に縦に並べます。
④ 追加カードを作成する。
最初のカードをすべて使う必要はありません。むしろ、新たに発想してカードを追加するようにします。追加カードが豊富なほど、よく練られたといえます。
⑤ テーマ名と記号を記入する。
テーマ名を決めてレイアウト用紙の上に記入します。また、関連のあるカード間には「-」、流れや因果関係のあるカード聞には「→」などの記号を書きます。
(3)「ストーリー法」の活用法
「ストーリー法j は、文章やスピーチ原稿の作成などに大変便利な技法です。例えば文章を作成するなら、まず、文章に書きたい内容を思いつくままカードに記入し(内容発想)、A3用紙に貼ります。
次に、文章の構想を練る(構想立案)とき、「ストーリー法」を使います。カードが貼られたA3用紙を左側に、レイアウト用のB4用紙を右側に置きます。文章の流れを考えて、A3用紙のカードをレイアウト用紙に移します。そして、追加のアイデアをカードに記入したり、直接レイアウト用紙に書き込みます。
カードを貼り終わったら、執筆配分の枚数を用紙に記入し、後はその用紙を使ってパソコンなどで文章を書きます(文章作成)。このように、文章作成のステップを細かく分けて行うので、各作業に思考が集中できるのです。
図18 ストーリー法の例
5. 創造型人間と集団発想の条件
5.1 どこで考えるか
(1)現代人の「考場」は「乗り物・寝床・風呂場」である
約1000年前、北宋の儒学者である欧陽脩は、著書「帰田録」の中で、 文章を考えるのによい場所として、「馬上(馬に乗っているとき)」、「枕上(寝床で)」、「厠上(トイレで)」の三上をあげています。
では、現代人の「アイデアを考えるのに適した所」、つまり「考場」のベスト3 はどこでしょうか。「現代人の発想パターン調査」(2004年,創造開発研究所)によれば、「乗り物の中」51%、「寝床」40%、「風呂場」31%で、欧陽脩の時代と比較すると、馬上が車中に、寝床は同じ、トイレが風呂場に代わっただけで、あまり大きな変化は無いようです。
(2)日本人の発想は「夜」生まれる
先程の、「現代人の発想パターン調査」によると、「アイデアが生まれるとき」のベスト3は、「夕方から夜」42%、「寝入りばな」37%、「深夜」29%で、発想の瞬間は圧倒的に「夜」でした。
古い話ですが、ノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士が「中間子論」を発見したのは、寝床の中でなかなか寝付けない、まどろみの中でだったと語られています。枕元には、常に手帳を置いていたそうです。この他にも、夜ふと目覚めたときとか、寝起きに新しい発想が湧き出てくる人は多い様です。
表19 発想の瞬間の6つの特徴
5.2 創造型人間になろう
(1)創造型人間になるには「大型タイプの人間力」をもとう
期待される人物としてよく言われるのは「T型人間」だと言われています。これは、ゼネラリストとして幅広い見識を持ち、さらにスペシャリストとしての独自の専門分野に精通している人をいいます。また、これだけでは不足で、これからは専門分野を2つ以上持つ「π(パイ) 型人間」になれとも言われています。
高橋先生は、真の創造型人間は「大型人間」だと言われています。”大”の字で横棒の上に突き出ている部分|は「創造力」を、横棒の一はゼネラリスト、横棒より下の人の部分は、高い専門性を持つスペシャリストと、国際競争力を表すとして、真の創造型人間になるためには、「大型人間」をめざそうと言われています(図20 )。
(2)創造型人聞には「思考力」と「4考力」とが不可欠
創造型人聞、「大型人間」になるために必要な基本能力は、幅広く島も深い知識をもちながら、柔軟に独自の発想ができる「思考力」です。
そして、この「思考力」を養うためには、幅広い分野から多くの適切なデータを集め、そこから価値をある情報を見つけ出すことがポイントです。そこで、高橋先生は「4考力」を身に付けることを勧めています「4考力」とは、「足考」、「口考」、「心考」、「手考」という、4つの情報収集力を指します(表21 )。
すなわち、足を使って実際の現場の生情報を集め(足考)、口を使って人から話を聞き出し(口考)、心を使ってピンとくる重要データやヒントをキャッチし(心考)、手を使ってさまざまな情報やヒント、思いつきをメモする(手考)という情報収集のための努力が、創造型人間には欠かせません。
図20 創造型人間「大型人間」の4能力
表21 情報収集に必要な4考
5.3 集団創造に欠かせない創造的リーダーとメンバーの条件
集団で創造するためには、創造的なリーダーとメンバーの両方が欠かせません。それぞれの条件を考えてみましょう.
(1)創造的リーダーの8条件
創造的リーダーは、次の8つの条件を持っていることが望ましいです。
① 課題発見力:何が課題かを見つけ出し、明確に定義づける力がある。
② ゼネラリスト:幅広い教養があり、できればユーモアがある。
③ スペシャリスト:なるべく専門分野を 2 つ以上もっている。
④ 公平な指導力:全員を公平に扱え、リーダーシップがある。
⑤ 想像力と創造力:課題を多角度に考えられ、発想力がある。
⑥ 問題解決力と実績:問題解決を実践してきた実績がある。
⑦ 判断力:決定するとき、的確な判断力と決断力とがある。
⑧ あくなき執念:最後まで諦めない集中力と執念がある。
この8条件を満たすリーダーを見つけるのはなかなか困難です。 しかし、心構えとしてこれらの条件を常に心の片隅に置いておくことで、少しでも近づくことができます。
(2)創造的チーム・メンバーの5条件
創造的チーム・メンバーは、次の5つの条件を持っていることが望ましいです。
① 課題意識:課題をいつも意識し、情報収集に熱心である。
② 熱意:積極性・バイタリティのもち主で、やる気がある。
③ 専門力:自分の専門に関して、自信と能力をもっている。
④ 非上下関係:メンバーは平等、 上下意識がない。
⑤ 信頼感:仲間たちとの聞に信頼感がある。
こんなメンバーを選べれば、QCサークルの活動は活発に進められると考えます。
参考文献
創造力で問題解決力を強化する 高橋誠 品質月間テキストNo.348 2006 日科技連
わかる!できる!図解 問題解決の技法 高橋誠 日科技連
新商品開発技法ハンドブック 高橋誠 日本ビジネスリポート
創造性の開発 -技術者のために- ヴァン・ファンジェ 岩波書店
Creativity A Handobook for Teachers AI-GIRL TAN World Scientific 2007
引用図表
図1 問題とは(ケプナーとトリゴーの定義)
図2 問題は「唯一解答」と「多数解答」の2種類に分類される
表3 強い問題意識から新たに発見した人
表4 固定観念を無くして見つけた身近な商品の別の使い道
表5 問題解決の手順例
図6 ギルフォードの頭脳モデル
図7 ギルフォードの思考(操作)モデル
図8 火縄銃思考からマシンガン思考へ
図9 発散思考の5つのルール
表10 創造技法の4分類
図11ブレインストーミング
図12 カードBS法の進め方
図13カードBW法の進め方
表14 オズボーンの9チェックリストとマッチの例
図15 NM法の進め方
図16 ブロック法の例
図17 クロス法の例
図18 ストーリー法の例
表19 発想の瞬間の6つの特徴
図20 創造型人間「大型人間」の4能力
表21 情報収集に必要な4考
ORG:2025/09/10




















