IPコード

IPコード(IP Code)

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IPコードは、電気機械器具の外郭(JIS:”enclosure”の訳。筐体のこと)の、防塵や防水の程度を規定する保護等級を表しています。この等級を製品に表記する場合は規定に従った試験に合格する必要があります。
なお、IPは、” International Protection” の略です。詳細は、JIS C0920:2003(IEC 60529:2001) に規定されています。

■IPコードの表し方

IPコードは、4桁ないし6桁で表されます。IPの文字の後の2桁の数字、がそれぞれ防塵(固体異物に対する保護等級)、防水(水の侵入に対する保護等級)を表します。5桁目、6桁目は付加文字(または補助文字)で人に対する保護内容や電気機器に対する保護内容を示すもので、適用されない場合は省略されます。

図1_IPコード

IPコードの要素とその意味について、表2 に示します。

表2 IPコード表

■IPコードにおける文字の使用例

IP44  : 文字なし、オプションなし
IPX5  : 第一特性数字を省略
IP2X  : 第二特性数字を省略
IP20C  : 付加文字を使用
IPXXC : 第一・第二特性数字を省略、付加文字を使用
IPX1C  : 第一特性数字を省略、付加文字を使用
IP3XD  : 第二特性数字を省略、付加文字を使用
IP23S  : 補助文字を使用
IP21CM : 付加文字及び補助文字を使用
IPX5/IPX7  : その外郭が“多用途形”として、噴流に対する保護等級及び一時的潜水に対する保護等級という異なる保護等級を持つことを示す。

■第一特性数字

第一特性数字は、次の2つの条件の何れにも適合する等級を数字で示します。

(1) 電気機械器具の外郭は、人体の一部又は人が所持する工具などの侵入を防ぐか又は制限して、人の危険な箇所への接近に対して保護する。

(2)電気機械器具の外郭は、外郭内の電気機器を外来固形物の侵入から保護する。

表3_第一特性文字_危険な場所への接近

表4_第一特性文字_外来固形部

■第二特性数字

第二特性数字に対する試験は、真水(flesh water)を使用して行います。従って、高圧力又は溶剤を使用して洗浄を行う場合、実用上の保護が不十分である場合があります。

表5_第二特性数字_水に対する

複数の特性への対応に示す場合については表5のようになります。

表6_第二特性数字_二重表示

■付加文字

付加文字は、次の場合に限り使用されます。

(1) 危険な箇所の接近に対する保護が、第一特性数字で示されている等級より上位の場合

(2) 危険な箇所の接近に対する保護だけを表示する場合で、第一特性数字が”X” で示される場合。

表7_付加文字

■補助文字

個別製品規格において、第二特性数字又は付加文字の後に補助文字によって補助的な情報を示すことが可能です。

表8_補助文字

参考文献
JIS C0920:2003  電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

図表
JIS C0920:2003 より