クロムモリブデン鋼(SCM)(Chromium Molybdenum Steels)

■クロムモリブデン鋼(SCM)(Chromium Molybdenum Steels)

機械構造用合金鋼に属しており、通称”クロモリ”もしくはクロモリ鋼と一般に呼ばれています。
JIS G4305に規定され、クロムモリブデン鋼としては11種が規定されています。

クロム鋼(SCr)にモリブデンを添加して材質の性質を改良したものです。SCr鋼よりもさらに焼入れ性が向上しています。
焼き戻し抵抗、機械的性質が優れており、靭性もありますので、自動車部品や航空機部品、ボルト、ナット類に使用されています。
また、500℃前後でも強度が低下しにくいため、高温高圧が作用する個所にも使われます。
この素材は、クロムの添加量は発錆を防ぐ最低量10.5%よりはるかに少ない含有量なので、錆の発生には注意が必要です。
鋼材の価格としては、鋼の中ではそこそこ高い方ですが、特殊な合金に比較すると汎用性が高く、コストパーフォーマンスには優れていると考えられます。
表面仕上げについてもきれいに仕上げることができますので、美観が要求される製品にもよく使用されます。

特徴としては、
・良好な焼入れ性
・良好な機械加工性
・焼き戻し抵抗が大きい
・焼き戻し脆性の傾向が小さい
・良好な仕上がり
・一応溶接は可能

JIS G4305に規定するクロムモリブデン鋼の化学成分を示します。

クロムモリブデン鋼成分

出典:「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト

また、昔の文献を読むために新旧対照表を示します。

クロムモリブデン鋼_新旧対照表

出典:「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト

 

 

参考:「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト
https://www.toishi.info/sozai/scm/index.html