1.3 機械設計において一般的に考慮すべき事項

1.3 機械設計において一般的に考慮すべき事項

 

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機械要素の設計の際に考慮すべき一般的事項は以下の通りです:

1. 負荷と負荷によって引き起こされる応力の種類。
機械要素上での負荷は内部応力が付加されることにより、いろいろな形で作用 します。様々なタイプの負荷と応力については、4章と5章で議論します。

2. 部品の動きあるいは機械の運動学。
どんな機械でも正常に動作するには、動きを要求される部品のもっとも単純な構成に、 大きく依存します。部品の動きには、次のようなものがあります: (a) 一方向および往復運動を含む直線運動。 (b) 回転、振動及び単振動を含む曲線運動。 (c) 等速運動。 (d) 定加速度もしくは変加速度。

3. 材料の選択。
設計者は、材料の性質と使用条件での挙動に精通していることが不可欠です。 材料の重要な特性のうちのいくつかは次のとおりです: 強さ、耐久性、柔軟性、重量、熱や腐食に対する耐性、鋳造性、溶接性もしくは 硬化性、機械加工性、導電性などです。 様々な工学材料とその性質については、第2章で議論します。

4. 部品の形状と大きさ。
形状と大きさが判断の基礎になります。最小実用断面での使用に当たっては、 その設計断面に加わる応力が適正に安全かが、チェックされるでしょう。任意の部品 の形状や大きさを設計するために、その部品が受けなければならない力について、 知ることが必要です。 また、破損を引き起こす、突然発生する衝撃荷重を予想することも重要です。

5. 摩擦抵抗および潤滑。
摩擦抵抗による動力の損失は常にあり、静摩擦のほうが動摩擦より高くなることに注意 すべきです。従って、他のの部品と接触して、回転するすべり軸受もしくは転がり軸受 のすべての表面の潤滑の問題に十分な注意を払うことが重要です。

6. 便利で経済的な機能。
設計では、機械の操作機能を注意深く研究すべきです。 ハンドリングの容易さをもとに、発進、制御、停止のレバーを配置すべきです。摩耗の ための調整は、いろいろな調整装置を採用して、部品のアライアメントを維持するように 配置しなければなりません。 もし、部品が異なった製品に付け替えられたり、摩耗や破損のために置き換えられたり した場合は、他の部品を移動しなければならないのを可能な限り避けて部品を交換 できるように容易なアクセスを確保しなければなりません。 良品の生産が可能な最大容量かどうかを学ぶために、生産や材料加工のために使用 される機械の経済的な運転を研究すべきです。

7. 標準部品の使用。
標準部品の使用は、コストに密接に関係があります。なぜなら標準部品や在庫品の コストは注文で制作された同様の部品のコストのごくわずかにすぎないからです。 可能な限り、標準品や在庫品を使用すべきです; 型番がすでに存在している歯車やプーリーやベアリングのような部品や、ねじやナットや ピンなどの工具店や問屋の常備在庫から選ばれるような部品。ボルトやスタッドネジは ドリルやリーマ、タッをの変えることにより起こる遅れを可能な限り少なくすべきです。 これはまた必要なレンチの数を削減することになります。

8. 運転の安全性。
一部の機械は運転するのは危険です。特に最大速度で生産を確保するためにスピード アップされたものは危険です。 したがって、労働者の作業域にある機械のどんな可動部分も、事故の危険性を考慮 しなければらりませんし、けがの原因になるかもしれません。それ故、設計者は常に作業者 の安全のための安全装置を供給すべきです。安全装置は、人と機械とが絶対に干渉しない ようにすべきです。

9. 工場設備。
設計技師は他の工場に外注に出さなくて済むように、自工場の限界を掴んでおかなけれ ばなりません。 工場の運営を計画し、管理することや、特殊な部品を鋳造したり、取り扱ったり加工したり するための方法を立案することが時々必要になります。

10. 製作される機械の数。
製作される品物や機械の数は、いろいろな方面で設計に影響します。確定負債または 経営費と呼ばれるエンジニアリングおよび工場原価は、製造される品物の数の上に分配されます。 もし少数の品物氏か製作しないなら、機械が大きいか特殊な設計でない限り、追加費用は 正当化されません。 少量の製品の発注は、工場でのいかなる不適当な費用も許さないだろう。その結果、 デザイナーは可能な限り標準部品に製品の仕様を制限しなければなりません。

11. 組立コスト。
製品の組立コストは設計に含まれる最も重要な検討事項です。 ある場合には、製品の高いコストが直ちにさらなる検討を妨げるかもしれないことは十分に あり得ます。もし製品が発明され、手作りのサンプルでテストされた結果が商品価値を持つ ことを示したならば、特に大量に販売できる場合は、開発と、製品を製作するための自動 機械の開発への相当な金額の支出は正当化できるでしょう。どんな条件の元でも設計技師 の目標は製造原価を最小にすることです。

12. 組立。
すべての機械や構造物はそれが機能することができる前に組み立てられなければなりません。 大きいユニットはしばしば工場で組み立てられて、検査したのち使用する場所に輸送する 必要があります。 どんな機械でも最終の据付場所は重要です。それで設計者は、組立のために正確な位置と その場所の設備を予想しなければなりません。