10.7 電気アーク溶接

10.7 電気アーク溶接(Electric Arc Welding)

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被覆金属アーク溶接ともいます。アーク溶接法の中では溶接棒の長さの制限から、溶接の自動化に不向きなことから近年適用される割合が減ってきてはいますが、機器構成が簡単なことから、屋外溶接などの現場溶接作業に向いています。

10.7.1に示すように、心線に被覆剤(フラックス)を塗布した被覆アーク溶接棒と母材との間に、交流または直流(日本では交流が多い)電圧を付加して、アークを発生させると、溶接棒はアーク熱(約50006000℃)により、溶滴となって溶融池に移行します。その時同時に、図10.7.2示すように母材の一部がアーク熱で溶融して、溶接棒からの溶融金属と融合して凝固して、溶接金属となり接合対象の隙間(開先)を充填することにより2つの母材を接合します。

 

電気アーク溶接の原理

Fig.10.7.1

Fig.10.7.2

Fig.10.7.2

 

 

被覆剤の作用は、アーク熱により分解して、アークを安定化させるとともに、ガスやスラグを生成して溶融または凝固中の溶接金属を大気から遮断して、大気からの酸素や窒素の侵入を防ぐ役割を果たしています。被覆剤の組成を変化させることにより、色々な特性を持った溶接棒が製造されています。溶接棒を選ぶことにより、全ての姿勢で溶接が可能です。

 被覆アーク溶接は作業者が溶接棒を手で運棒して実施しますが、長尺の溶接棒を簡単な治具と併用して半自動的に能率を上げる方法も用いられます。