5.2 ねじりせん断応力

5.2 ねじりせん断応力(torsional Shear Stress)

 

スポンサードリンク

アフィリエイト広告を利用しています。

機械部材にトルクまたはねじりモーメントが付加されると、機械部材はねじれを受けて変形します。ねじりにより発生する応力は、ねじりせん断応力といわれます。応力の性質は通常のせん断応力と同じですが、ねじりせん断では部材内の応力の分布が均一ではありません。

機械部品で、ねじりせん断応力が発生するもっとも一般的な場合は、動力伝達に用いられる円筒状の軸です。

 

/トルクが付加された円筒軸に発生するねじりせん断応力

図5.2.1 に一端固定で、もう一方の端面にトルクTを受けている軸を考えます。トルクTを受けることにより、軸の全ての断面でねじりせん断応力を受けます。ねじりせん断応力は、中心軸でゼロ、外表面で最大値を取ります。外表面での最大ねじりせん断応力は、軸端で発生して以下の式で表されます。

図5.2.1 ねじりを受ける中実軸

\( \tau_{ max } = \displaystyle\frac{ T \cdot d }{ 2 J_{ p }} = \displaystyle\frac{ G \cdot \theta \cdot d }{ 2 } \)   (式5.2.1)

 

ここで、
\( \tau_{ max }\)=軸端の外表面に誘発される最大ねじりせん断応力
\( d \) =軸直径
\( T \) =トルクまたはねじりモーメント
\( I_{ p } \) =断面二次極モーメント(\( = \displaystyle\frac{ \pi }{ 32 } d^4 \))
\( G \) =軸材料の横弾性係数
\( l \) =軸長さ
\( \theta \)θ=単位長さ当たりのねじれ角(rad)

(式5.2.1)は、ねじり方程式と呼ばれています。これは、次の仮定に基づいています。
1.軸材質は均一です。
2.軸の長さ方向に沿ってねじれは均一です。
3.トルク付加の前後とも断面形状は円形のままです。
4.トルク付加の前後で、軸線のねじれはありません。真っ直ぐなままです。
5.トルク付加により発生する最大せん断応力は、弾性限界内です。

中空軸(kollow shaft)の場合の最大せん断応力は、

\( \tau_{ max } = \displaystyle\frac{ 16T}{ \pi d^3 (1 – n^4 )} \)   (式5.2.2)

ここで、
\( nd \):内径 (\( 0 \lt n \lt 1 \))

となります。

 


まとめ

・ねじりトルクのみを受ける回転軸の最大せん断応力は軸の表面で発生して、その値は次式の通りです。

  \( \tau_{ max } = \displaystyle\frac{ T \cdot d }{ 2 J_{ p }} = \displaystyle\frac{ G \cdot \theta \cdot d }{ 2 } \)

・実際のシャフトには、ねじりモーメントの他に曲げなどが作用します。

 

自分の市場価値を試してみたかったら、トライするのも有りかな。

転職サイトに掲載されていない【非公開求人】の紹介を受ける方法は?

 

 

参考文献
A textbook of Machine Design   R. S. Khurmi et al 
Machine Elements in Mechanical Design 4th ed.

 

引用図表
図5.2.1 ねじりを受ける中実軸   参考:A Textbook of Machine Design

 

ORG:2021/05/27