2.3 中子(core)と幅木(core print)

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2.3 中子(core)と幅木(core print)

中子とは、鋳物の孔部や、空げき、突出部、くぼみ部等の鋳型の一部を別個に製作して、鋳型の組立時に取付けるものをいいます。作業性や経済性の観点からは避けるべき造型法ですが、中子の使用が鋳物の形状から絶対に必要な場合、あるいは中子を用いることで鋳造工程が簡略化される場合にはその限りではありません。

中子は鋳物の内部形状を形成する鋳型として使用するため、凝固過程で発生するガスを放出しやすい通気性や、
流入する溶湯の衝突に対して十分耐えられる強い表面強度と結合力、鋳型より高い耐火性あるいは非焼付き性、凝固後の型ばらし(shake-out)性などが要求されます。したがって、中子設計は非常に重要な役割を占めています。

中子の位置決めおよび、固定をするために、幅木をあらかじめ模型の一部として設計しておく必要があります。
幅木の大きさは、溶湯から受ける浮力とその支持力から決められ、支持力≧浮力である必要があります。中子の支持方法(鋳込方法)によって異なりますが、中子の大きさを直径D と長さLとして浮力と支持力より算出すると、乾燥鋳型の場合の横両幅木(double core print)では表2.3.1に示すような大きさX となります。ただし、これ
らの値はおおよその目安であって、設計段階で製品の内面形状を改善する必要があります。中子の支持力不足や強度不足は、そのまま製品不良になるので、注意が必要です。

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図2.3.2は、中子の薄い部分をなくして、幅木による支持力を高めるとともに、ガスの抜けが良好になるように改善した事例を示します。

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■補足
鋳型と中子についての説明
図2.3.3に示す、両フランジ付パイプ(A)を鋳造で製作する場合を考えます。その場合、Bのような模型を用いて、砂の中にCのような空所を形成します。このとき、パイプの穴の部分に該当する砂型Dを作って、Cの空間の中央に置くと、Eのような鋳型ができます。
このとき、模型Bの2の部分に相当する部分は、砂型Cには、2’のくぼみが出来ています。2’のくぼみにはDの1の部分が入ります。
このようにして、鋳型Eの空間部は、パイプAの形状になります。この空所に溶湯を流し込み、冷却凝固すると製品Aが得られます。
このDの砂型を中子といいます。また、1の部分および、2の部分、2’の部分を幅木といいます。

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参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章
機械工作法上巻 養賢堂 1973年

引用図表
図2.3.1  乾燥鋳型での幅木の大きさ(横両幅木の場合)    機械工学便覧 第6版 β03-02章
図2.3.2  内面形状変更による中子の改善例           機械工学便覧 第6版 β03-02章
図2.3.3  中子およびはばき                      機械工作法上巻  養賢堂 1973年

 

2016/11/3
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。