2.4 抜け勾配(pattern draft)
2.4 抜け勾配(pattern draft)
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造型作業において、鋳型から模型を引き抜く際に、長い平行部をもつ形状は引き抜くことが困難です。特に砂型鋳造では、引き抜く際に鋳型を壊すおそれがあります。また、金型鋳造やダイカスト鋳造であっても、鋳型から鋳物を取出しにくくなります。
このような部分には、抜けこう配(pattern draft)をつけることが望ましい。JIS 規格では表2.4.1や表2.4.2に示す、抜けこう配の許容値が定められています。また、ダイカスト鋳物においても、図2.4.3に示す、合金の種類に適した抜けこう配を設ける必要があります。
実際の鋳物設計では、図2.4.4に示す例のように、どの部分を分割面とするかをあらかじめ確認して、その寸法差があっても差し支えないかを検討しておく必要があります。あるいは、寸法差が許されない場合は、図2.4.5のように、形状そのものを変更しなければなりません。
参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章
引用図表
表2.4.1 ねずみ鋳鉄および球状黒鉛鋳鉄品における抜けこう配の許容値 (JIS B 0407:1978)
機械工学便覧 第6版 β03-02章
表2.4.2 鋳鋼品における抜けこう配の許容値(JIS B 0412:1978)
機械工学便覧 第6版 β03-02章
図2.4.3 ダイカスト鋳物における抜けこう配 機械工学便覧 第6版 β03-02章
図2.4.4 鋳物設計時における抜けこう配による寸法差(改) 機械工学便覧 第6版 β03-02章
図2.4.5 抜けこう配を考慮した形状変更 機械工学便覧 第6版 β03-02章
2016/11/3
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。