2.6 角，隅部

スポンサードリンク

2.6 角，隅部

鋳物部品の形状で、角部や隅部、断面積の急変部は、凝固が遅れ、ひけ巣が生じやすいので、押湯等による溶湯の補給が必要です。これらの個所は、凝固収縮による鋳造応力（casting stress）が作用して、凝固後に残留応力として残ってしまいます。
さらに、この応力が大きくなるような形状では、亀裂が発生する危険性があります。したがって、このような部分には丸み（曲率半径：r）や、こう配を設けることにより、鋳造応力の軽減を図ります。図2.6.1に、肉厚変化部の形状についての基準を示します。こう配についても、図2.6.1に示す計算式で求められます。

%e5%9b%b32-6-1_%e8%82%89%e5%8e%9a%e5%a4%89%e5%8c%96%e9%83%a8%e3%81%ae%e5%bd%a2%e7%8a%b6

この他、T字形や肉厚変化部についての、形状の基準を示します（図2.6.2，図2.6.3）。

%e5%9b%b32-6-2_l%e5%ad%97%e4%ba%a4%e5%b7%ae%e9%83%a8%e3%81%ae%e5%bd%a2%e7%8a%b6

%e5%9b%b32-6-3_t%e5%ad%97%e4%ba%a4%e5%b7%ae%e9%83%a8%e3%81%ae%e5%bd%a2%e7%8a%b6

十字交差部は、できるだけ避けて、交差位置をずらしてT 字交差にするように設計します。

 

 

参考文献
機械工学便覧　第6版　β03-02章

引用図表
図2.6.1　　肉厚変化部の形状（JIS B 0703：1962)　　　　　　　　機械工学便覧　第6版　β03-02章
図2.6.2　　L 字交差部の形状（JIS B 0703：1962)　　　　　　　　機械工学便覧　第6版　β03-02章
図2.6.3　　T 字交差部の形状（JIS B 0703：1962)　　　　　　　　機械工学便覧　第6版　β03-02章

 

2016/11/3
本稿（初稿）は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第２稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。