4.8 真空鋳造法(vacuum casting process)

4.8 真空鋳造法(vacuum casting process)

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チタンのように非常に活性な金属は、大気中で溶解すると、空気中の酸素、窒素と反応するため、真空中で溶解、鋳造されます。通常の鉄鋼や非鉄金属においても、特に溶湯の酸化やガス吸収を極度に抑制して、高品質な鋳塊や鋳物を得るために真空中で溶解・鋳造が行われることがあります。
溶解の熱源には、消耗電極式アーク、非消耗電極式アーク、電子ビーム、プラズマビーム、高周波誘導などが用いられます。
図4.8.1に、チタンの代表的な溶解・鋳造装置である、消耗電極式アークスカル炉(arc skull melting furnace)を示します。

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チタンのように活性な金属を取り扱う場合は、水冷るつぼ内で溶解され、るつぼに接触した部分が凝固してチタ
ン殻(スカル)を形成し、これが断熱層になって内側にチタン溶湯が保持されます。

溶湯はるつぼを傾転することで、下側の鋳型に鋳造されます。鋳型には黒鉛粉末成形鋳型が、精密鋳造品にはインベストメント鋳型、歯科鋳造物のような小物にはマグネシア鋳型などが用いられます。
また、るつぼ容器からの汚染を防ぐため、金属を電磁力で浮かせながら溶解する、レビテーション溶解法が開発され、減圧容器内で吸引鋳造されます。

なお、真空鋳造は上記の鋳造のほかに、精密鋳造におけるインベストメント鋳造、石こう鋳造やダイカスト鋳造
においても真空度は低くなりますが、減圧下で鋳造が行われています。

 

 

参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章

引用図表
図4.8.1  消耗電極式アークスカル炉                 機械工学便覧 第6版 β03-02章

 

2016/11/5
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。