4.4 高圧鋳造法(high pressure casting process)(スクイーズキャスティング法(squeeze casting process))

4.4 高圧鋳造法(high pressure casting process)(スクイーズキャスティング法(squeeze casting process))

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金型キャビティ内へ、溶湯を0.05~0.1m/sの低速でゲートを通じて充てんし、金型内の溶湯に機械的外力により40~200MPaの高圧力を凝固終了まで作用させる鋳造法です(図4.4.1)。

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一般には、アルミニウム合金鋳物の鋳造に用いられます。ゲート断面積を大きくした低速充てんであるため、ダイカスト法に比較して、金型内の空気やガスの巻込みが非常に少なく、また凝固過程中の加圧により凝固収縮や、ガスによるポロシティが少なくなっています。

高圧力により、溶湯の金型への熱伝達が重力金型鋳造に比べて約4倍大きく、冷却速度が速くなり凝固組織が微細になり、機械的性質が非常に優れた鋳物の製造が可能です。
ただし、ゲートから離れた厚肉部位には凝固終了時に高圧力が作用しきれない場合があり、ダイカスト法の項で後述する、局部加圧操作を行うことがあります。高圧力を溶湯に作用させるため、金型の精度が厳しく、金型費と設備費が高くなります。

 

 

参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章

引用図表
図4.4.1  スクイーズキャスティング法            機械工学便覧 第6版 β03-02章

2016/11/4
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。