6.3 その他の鋳物

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6.3 その他の鋳物

ここでは、工業的に重要な鋳鉄品として、ニッケル基耐熱超合金鋳物と取り上げます。本材料は、JIS規格には規定されていないが、タービンブレードのような高温で強度を要する用途に使用されています。
ニッケル基超合金(nickel base superalloys)は、Cr、Co、Mo、W、Taなどの添加元素を固溶させたニッケル固溶体(γ相)中に、Ni3Al相(γ′相)を析出させたもので、クリープ強度、熱疲労強度、耐高温ガス腐食性などに優れています。γ′相中には添加元素が固溶するとともに、γ′相中のAlはTi、Taなどで置換されます。これらの超合金は鋳造後の溶体化処理、時効熱処理により体積率にして約60%のγ′相を立方体状に析出します。このγ′相が超合金の耐熱性を担っています。
ジェットエンジンやガスタービンの動翼、静翼はいずれも鋳造法により製造されますが、要求使用温度上昇につれ、普通鋳造用から一方向凝固用、単結晶用と合金開発が進んできています。
これらニッケル基耐熱超合金は、各開発会社により各種のものが開発され、普通鋳造用合金、一方向凝固合金、単結晶合金が製造されています。

 

 

参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章

 

2016/11/6
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。