7.5 仕上(Finishing process)

7.5 仕上(Finishing process)

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(1)型ばらし装置

鋳造後。鋳型から鋳造品を能率よく取出すために型ばらし装置を用います。金枠を用いている場合には、まず鋳型と製品を取出し、その後、鋳型を製品から分離する方式(解枠)と、製品を鋳型から引き出す方式とがあります。通常は前者の解枠方式が採用されています。
鋳型砂と製品の分離には、振動式のシェイクアウトマシンあるいは、回転ドラム、砂型中に含まれる水分を利用する減圧衝撃法などがあります。

(2)清掃装置

鋳造品に付着している砂等を除去する装置で、ショットブラスト、ハイドロブラスト、サンドブラストなどがあります。ショットブラストは、鉄製のショット(shot)や、ワイヤをカットしたグリット(grit)を、羽根車で鋳造品に投射するものです。である.ショットおよびグリットの大きさは、鋳鉄・鋳鋼では0.3~2.0mm、軽合金では0.2~0.5mm のものを用います。軽合金の場合には、粉じん爆発が起こらない材質を選ぶ必要があります。
ショットブラストは、通常砂落としを行った後の鋳肌清掃に用いるますが、砂付き鋳造品の砂落としに用いる場合もあります。このような機械を強力ショットブラストまたはコアノックアウトと称しています。
ショットは、砂粒といっしょに回収し、分離して再利用します。
ハイドロブラストは、高圧水をノズルから噴射して砂落としおよび清掃を行うものです。特別な装置では、さらに高圧のものもあり、焼付き部の清掃などに用いられます。
サンドブラストは、砂を圧縮空気でノズルから噴射し、品物の表面を研掃し、きれいにする装置です。

(3)バリ取り装置

バリ取り装置は、清掃では除去できない鋳ばりや焼付きの除去・仕上げを行います。そのためには、研削。ガス切断、パウダ切断、チッピングなどを用います。
小物のバリ取りや湯口切断にはフロアスタンド型が、大物にはスイング型が使用されます。
表面仕上げには、ハンドグラインダが用いられます。
鋳ばりの発生形状に合わせたカッタを油圧で往復動させて鋳ばりを折り取るバリ取り装置も開発されていて、自動車エンジンのクランクケース内面鋳ばりの除去に用いられています。
ガス切断は鋳鋼に適用されます。
バリ取り作業は、粉じん・騒音の点で労働衛生環境に問題があるため、自動バリ取り装置やロボットの利用が進められています。

 

 

参考文献
機械工学便覧 第6版 β03-02章

 

2016/11/6
本稿(初稿)は、筆者の興味と復習を兼ねているため、参考文献からの引用が主たるものになっています。第2稿ではより内容を絞り、かつより広範囲なデータに基づく記述を企図しております。