液体電解質と同等の性能を実現する固体電解質材料の開発
液体電解質と同等の性能を実現する固体電解質材料の開発
（Development of solid electrolyte materials that achieve performance equivalent to liquid electrolytes）
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IEEE Spectrum
液体電解質と同等の性能を実現する固体電解質材料の開発（Development of solid electrolyte materials that achieve performance equivalent to liquid electrolytes）
作者：EXTER JOHNSON
発表日： 2024/02/15
1. より安全で爆発しない固体電解質の開発
固体電解質は、従来の液体電解質と比べて安全性が高いという利点がありますが、性能が劣る問題点がありました。
リバプール大学の研究者らは、液体電解質と同等の速度でリチウムイオンを伝導できる新しい固体電解質材料を発表しました。
今回開発された新しい固体電解質は、リチウム、シリコン、硫黄、ヨウ素から構成されており、3次元結晶構造を形成しています（ Li7Si2S7I ）。この構造は、リチウムイオンが移動可能な15種類の異なる経路を提供します。従来の固体電解質は、3～4種類しか経路がないので、大幅な進歩と言えるでしょう。
研究者らは、この新しい材料が全固体電池の電解質として使用でき、従来の液体電解質よりもエネルギー密度、パワー密度、サイクル寿命が向上しました。
また、リチウム、シリコン、硫黄、ヨウ素は、地球に豊富に存在するので容易に入手可能で無毒です。
2. 今回開発の材料の課題
この新しい材料は、空気や湿気に触れると不安定になるという課題があります。また、製造コストや既存の電池技術との互換性などの問題も解決する必要があります。
3. 今後の展望
研究者らは、これらの課題を克服するために、材料の改良と最適化を進めています。この新しい固体電解質は、より安全で高性能な電池の実現に貢献する可能性を秘めています。
4. 補足
* この研究は、2024年2月15日に科学誌「Science」に掲載されました。
Science
“Superionic lithium transport via multiple coordination environments defined by two-anion packing”
GUOPENG HAN, ANDRIJ VASYLENKO HTTPS, LUKE M. DANIELS HTTPS, CHRIS M. COLLINS, LUCIA CORTICI, RUIYONG CHEN, HONGJUN NIU, TROY D. MANNING, DMYTRO ANTYPOV, MATTHEW J. ROSSEINSKY +12 authors
* 研究者らは、人工知能（AI）を用いて、新しい材料の探索と開発を行いました。
* この新しい材料は、リチウムイオン電池だけでなく、他の電池技術にも応用できる可能性があります。
ORG:2024/02/17
