治具(ジグ;jig)と取付具(fixture)との違い
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治具(ジグ;jig)と取付具(fixture)との違い(difference between jigs and fixtures)
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1. 治具と取付具の特性
日本語では、治具と取付具とは同じ意味で使われることが多いですが、海外では治具(jig)と取付具(fixture)とは使い分けがされています。ここでは、海外の文献に基づき、治具と取付具との特性について概略記述します。
(1)治具(jig):
治具は、多くの場合、穴あけ加工、リーマ加工、ザグリ加工、タッピング、またその他の一次元加工作業に使用されたり、工具やテンプレートのガイドとして使用されます。 直角度を確保するための特殊なクランプ治具もよく使用されます。 治具としてよく用いられる用途としては、ドリルをワークの加工面にガイドして、正確な位置と角度を確保するのに用いられるドリルブッシュです。
オートメーションの進展とコンピューター数値制御 (CNC) 工作機械の適用が進み、ツールパスはデジタル的にプログラムされ、制御装置のメモリに保存されるため、治具の必要性が減少しました。しかし、小規模な機械工場では、特殊部品やカスタム部品、単発製作品の手加工をサポートするために、治具が今でも多く使用されています。
(2)取付具(fixture):
取付具は、フライス加工、旋削加工、平削り加工、溝加工、研削、その他の多次元加工工程や、自動車の組立て、光学式レーザースキャン検査システムなどでよく使用されます。 CNC機械内で、材料のクランプブロックや作業台に置かれたバイスも取付具です。 自動車の組立ラインでは、溶接および組立プロセスを通じて車両を固定し、誘導するための取付具が不可欠です。
治具と取付具との違いはありますが、治具と取付具はどちらも、製造工程に大きな違いを生むツールです。 生産性の向上が図れ、部品の再現性が向上し、部品の組立と分解が容易になり、より安全な作業環境の構築に役立ちます。
ほぼすべて自動化された製造プロセスは、適切に機能する部品の一貫生産するために、治具と取付具の出来栄えに依存しています。生産技術者は、これらの重要な考慮事項を念頭に置くことで、治具と取付具が適切に設計されていることを確認できます。
西洋では、機械工の間では「治具はお金を稼ぐ場所だ」という古い格言があります。 ワークの製作時間を節約する取付具の製作が上手であれば、より大きな利益を得ることができます。
2. 治具と取付具との違い
「治具」と「取付具」は同義語として扱われることが多く、両方を合わせて治具として使用されることもあります。 治具と取付具はどちらも量産工程で使用されますが、機能的には全く異なるツールです(図1,表2)。
図1 治具と取付具との違い
表2 治具と取付具との比較
参考文献
新編機械製作_下巻 機械製作法研究会 養賢堂
What are Jigs and Fixtures, their Advantages, and Di erences Prescient Technologies HP
https://www.pre-scient.com/knowledge-center/jigs-and-fixtures/jigs-and-fixtures.html
ORG:2023/09/18