液晶フィルム向け樹脂、 日本触媒生産2倍へ 2015/12/7
液晶フィルム向け樹脂、 日本触媒生産2倍へ 2015/12/7
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日本触媒は、液晶パネルの原料となる樹脂の生産を、年間12,000トンに倍増させる予定です。
姫路製造所(兵庫県姫路市網干区)で、2016年5月に新工場を稼働させ、さらに2018年までに約30億円を投じて新設備を導入する予定です。
同社の製品を使用すると、パネルを薄く大型化が可能になるので、引き合いが増えているとのことです。日本触媒としては、紙おむつ向け吸水性樹脂(SAP)に次ぐ柱として、電子部材などの高機能素材の育成を急いでいます。
増産するのは、アクリル酸樹脂で商品名は「アクリビュア」。テレビやスマートフォンの液晶パネルの偏光板に、同樹脂フィルムを複数枚重ねて使用します。現在の生産能力は年間6,000トンで、2016年5月に姫路の新工場が稼働すると、9,000トンに増加します。
ただ、現在は「顧客に増産を待ってもらっており、すぐにフル生産になる」(池田全徳社長)ため、3,000トン分の生産設備を追加するとしています。
アクリビュアは、現在主流となっている、セルロース系の樹脂と比較して、
①液晶パネルを薄くすることができる。
②空気中の水分を吸いにくい性質があるため、テレビ用などの大型液晶パネルでも、反りが発生しにくい。
特徴があります。
今後、セルロース系樹脂からの切換え需要を取り込んで、現在数十億円程度の売上高を、早期に100億円以上に引き上げようとしています。
日本触媒は、紙おむつ向け吸水性樹脂(SAP)で、世界シェアの3割程度を占める最大手です。SAPや、その原料のアクリル酸など紙おむつ関連の製品が、全社利益の8割弱を占めています。
2016年3月期の連結純利益は、前期比31%増の250億円と最高益の見通しですが、中国や韓国のメーカとの競争は激しく行われています。
日本触媒ニュースリリース:
https://www.shokubai.co.jp/ja/news/news0165.html
日本経済新聞 2015/12/17 朝刊