欧州、風力関連の上場活況 発電機など他業種からの参入も
アフィリエイト広告を利用しています。
欧州、風力関連の上場活況
発電機など他業種からの参入も
■風力発電最大手DONG社、上場
欧州で風力発電関連企業の新規株式公開(IPO)が、相次いでいます。
発電機や鋼材メーカの上場に続いて、洋上風力発遺伝の世界最大手であるDONGエナジー社(デンマーク)の今夏の上場が決まりました。
風力発電市場は、順調に拡大していますが、資金調達の手段を広げて、事業強化に備えます。
DONG社は、デンマークの株式市場に上場しますが、今年の欧州での大型のIPOとして、注目されています。
DONG社は、洋上風力発電では約26%の世界シェアを占めています。これは、2位以下の倍以上のシェアになります。企業価値は、850クローネ(約1兆4千億円)を超えるといわれています。
上場にあたっては、新株の発行は行わず、既存の株主が15%以上を売り出す計画です。デンマーク政府は上場後も50.1%の出資を維持します。
DONG社は、近年北海で整備が進む洋上風力に、投資額の75%を充ててきました。現在、米国や台湾でも新事業を計画しているため、資金調達の手段を広げるのが狙いです。
■風力関連他業種からの参入
(1)Siffグループ(オランダの鉄鋼メーカ)
Siffグループは、2016年5月12日にオランダの株式市場に上場しました。Siff社は、洋上発電設備を海底で支える鋼管を製造しています。
北海での新規プロジェクトが相次いでおり、ロッテルダムにある工場を拡大していますが、上場を機に規模の拡大を急いでいます。
(2)センビオン社(ドイツの発電機大手)
センビオン社は、2016年3月にドイツ/フランクフルト市場に上場しました。同業のインド企業から、センビオン社を買収した、米国の投資会社が上場に踏み切りました。
センビオン社は、ヴェスタス(デンマーク)やシーメンス(ドイツ)などに次ぐ欧州では第4位の会社で、南米や日本での事業展開を活発化します。
-------
センビオン社とSiffグループは、2016年年初に発生した株式市場の混乱のため、いったん上場を延期していました。
両社とも業績は好調で、株式市場の混乱が落ち着いてきましたので、両社の上場が重なりました。
■風力発電の今後
国際再生エネルギー機関(IRENA)によると、世界の発電量に風力発電が占める割合は、2013年で3%ですが、2030年には7%以上と予想され、発電量としては4倍近くに増える見込みです。
これは、各国政府の支援に加えて、技術革新で発電コストが低下することが大きな要因です。
■その他の動向
2016年5月12日に、ロイヤル・ダッチ・シェル社(イギリス・オランダ)が、オランダ沖の洋上風力発電事業に、オランダのエネルギー会社などと共同で入札すると発表しました。
引用:日本経済新聞 2016/5/16 朝刊 フランクフルト支局;加藤貴行氏コラム記事